「ときをためる暮らし」(文春文庫)をゆっくりと読みました。家庭菜園を中心に、1920年代生まれのご夫婦の丁寧な暮らしが聞き書きされてます。「生きる力を一人一人が備えて」という項目があり、昔はお米も野菜も自分たちで作っていたから、何かに備えるなどということを改めて考えなくても、半年分、一年分の蓄えがあったのではと書かれていました。都会で暮らす私には1週間分の水と食料を蓄えておくことすら(スペースの都合もあって)大変なのです。しかし、家族が一週間にどのくらいの水を使うのか、どのくらいの量や種類の食べ物を食べているのか、どこから買っているのかなどを子どもたちとともに把握することは大切だと思いました。

 農大稲花小の稲・米・ご飯に関わる授業でも、日本に住む一人が一年間に食べるお米を作るために必要な田んぼの広さを、計算してみたことがあります。計算はちょっと大変でしたけれど、概ねのところは理解できたのではないでしょうか。

 

 タイの水上マーケットを題材にしたお土産。様々な熱帯果実があります。

 

 以前にタイの農村調査をしたときも、毎日の野菜や果物は庭に生えているものを、さっと収穫して食べていました。肉や魚は毎食出てくるわけではないし。たくさんの食材があるわけでもないけれど、スーパーやコンビニに依存しない生活の様子を見ることができました。