トカラ列島の近海では地震が多発し、鹿児島県十島村の様子をニュースなどで知ることが増えましたが、心配な毎日が続きます。担当した大学院生が以前、菌類調査で十島村の皆さんにお世話になったことも思い出されます。
さて、PCRという技術は新型コロナウイルスの蔓延とともに、多くの人に知られるようになりましたが、このPCRではDNAを増幅させるためにDNAポリメラーゼという酵素を使います。この酵素でとても性能がよいと評判な酵素の一つが、 KOD One(東洋紡)です。この酵素のおかげで実験がはかどるともいえます。
この「KOD」は十島村の小宝島(Kodakara-jima)に由来します。小宝島の硫気噴出口から発見されたサーモコッカス菌から作られた酵素だからです。このサーモコッカス菌は生育最適温度が90℃という超好熱菌です。ふつうの生きものなら死んでしまうところで生きることができるわけで、超能力ですね。様々な微生物の超能力を求めて、いろいろな微生物を捜す研究が行われた成果といえます。地震のニュースを聞いて思い出したことでした。
画像は、PCRで使うエッペンドルフチューブ。短い鉛筆くらいの大きさです。