キカラスウリの花です。
カラスウリは夜にしか開花しませんが、キカラスウリは昼間も開花し、葉っぱはややツルっとしています。カラスウリとキカラスウリでは、実の色も違うのですが、これは夏が終わらないとわかりません。
キカラスウリの根っこのでんぷんからは昔、天花粉(天瓜粉)が作られていました。今でいうベビーパウダーですね。実は大正生まれの父と昭和初期生まれの母をもつ私には「てんかふん」という言葉には聞き覚えがあります。
キカラスウリのでんぷんをとるなどという手間のかかることはもはや行われておらず、現在のベビーパウダーはタルク(滑石という鉱物)とコーンスターチ(トウモロコシ粉)などの植物でんぷんが主成分です。天花粉に代わるものとしてすでに明治末期には開発され、シッカロールという商品名で普及していました。世代によっては、シッカロールが一般名としてなじみがあるかと思います。ただ、農大稲花小のお父様やお母様のような若い世代は、ベビーパウダーの方がなじみのある言葉でしょう。タルクの毛細管現象で汗を吸い上げ放散し、植物でんぷんも吸水し、保水したり放散したりする仕組みのようです。最近は、パウダーではなく、扱いやすい固形のものも売られています。