カクレミノという植物です。日陰でもよく育ちます。
このカクレミノは、天狗のもつという隠れ蓑の形に似ているからの命名とのこと。それを着ると姿を消すことのできる「隠れ蓑」を天狗から奪い、調子に乗って男が悪さをする。しかしそれを焼かれてしまい、その灰を身に付けてまた姿を隠すが、水がつくことでばれてしまうというお話は、絵本などでもあるかと思います。齊藤竹善氏の研究(概要)を読むと、隠れ蓑だけでなく隠れ笠であったり、天狗からではなく鬼からであったりと、このストーリーにも変遷があり、それぞれに理由があるとのこと、興味深いです。
また、これで思い出すのはハリーポッターの透明マント(the Invisibility Cloak)。これも様々に原型があるそうですが、考えてみれば、ワーグナーの『ニーベルングの指環』でも、財宝を守る巨人がもっていたり、ジークフリートが女性をだますのに使ったりしています。見えなくなりたいという欲望の強さや、見えないものへの畏れも感じます。そうそう、ドラえもんも「とうめいマント」をもっています。最近は、メタマテリアルで「とうめいマント」を作ろうとする光技術も研究されています。