判例により(消滅時効の)時効援用権が肯定された者

●詐害行為の受益者

 何者?? となりますよねぇ・・

★詐害行為とは・・

「債務者が債権者を害することをはかって、自己の財産を減少させる法律行為」です。
もう少し平たく言うと、「悪意を持って自分の財産を不当に減らし、本来支払うべきお金を支払えないようにする行為」だそうです。

◆勉強の意味で事例を考えてみよう!(矛盾だらけの可能性があるけど、勉強になるんじゃないかと思うんです)

 自営業者Rが資金繰りに困り、仲の悪い友人Aから平成11年1月1日に500万円借り、5年後に一括返済する約束をしました。しかし、Rの資金繰りは改善されず返済が困難となりました。
 Rの財産は自宅兼職場の土地甲と建物乙(1000万円相当)だけですが、自営業者Rはその土地と建物を、お気に入りのキャバ嬢Mに贈与し名義も変えてしまいました。そして自営業者Rはキャバ嬢Mのヒモとして建物乙でキャバ嬢Mと暮らし始めました。
 友人AはMちゃんには何も言えないと思い、何もしないまま12年の時が過ぎ平成28年となりました。ここで友人AはRへ、「お前が12年前にやったことは詐害行為と言える。だから不動産の贈与は取消せ!」と言い出しました。
 このことを自営業者Rはキャバ嬢Mに伝えました。
するとキャバ嬢Mは、友人Aに対して
M:「私は詐害行為の受益者です。AさんのRに対する債権の消滅時効を主張します!」
A:「ナニ!?、しまった〜・・」
っつうようなことでしょう。

詐害行為の受益者は、詐害行為取消権を行使する債権者の債権の消滅時効を援用できる 最判平10 6/22

ただ、この判例の「事の次第」を掲載しているサイトによると、不動産を贈与した時の「気持ち」が重要みたいです。「他の債権者を害する事を知りながら・・」だったら詐害行為になるようです。純粋に大好きなMちゃんのためだったら詐害行為にならないかもしれない。そして、通謀虚偽表示の要素もありますねぇ。
そもそも、詐害行為となった場合、Rは消滅時効を援用できるんだろうか?
まぁ、この辺は難しい・・
とりあえず、「詐害行為の受益者」を理解しましょう。
 
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