こんにちは、
株式会社Lean Stack代表の吹上由樹です。
【著者プロフィール】
吹上由樹(ふきあげ よしき)
株式会社Lean Stack 代表取締役
2021年4月 経済産業省へ入省
2023年7月 経済産業省を退職
2023年9月 株式会社Lean Stack設立
2025年2月 地上波テレビ番組出演
弊社HP:https://www.leanstack-buzz.com/
YouTubeチャンネル:DXできるくん
https://www.youtube.com/channel/UCpKWNCmxjPHYg6f8t3FaiUA
はじめに
あなたの会社は、今、AIを導入していますか?
ChatGPTで資料を作り、議事録を自動化し、メール返信を効率化する。
もちろん、それはとても大切なことです。
私も、このnoteを通じて何度も何度も「中小企業こそAI/DXを推進すべきだ」と言ってきました。
しかし、今日はあえて、別の問いを投げかけたい。
「すべてが効率化された世界は、果たして本当に"理想郷"なのだろうか?」
矛盾している、と感じるでしょうか。
いいえ、違います。
これは、AIを否定する話では決してありません。
むしろ、AIを真に使いこなし、AI時代における勝者の条件を考える上で、避けては通れない本質的なテーマだと思うんですね。
この記事では、AI導入のその先を見据え、経営者が今から準備すべき「もう一つの視点」をお伝えしていきます。
なぜ"アナログ"の価値が高まるのか
経済の基本原則は、シンプルです。
希少なものに、価値が生まれる。
かつて、「情報」や「知識」は希少でした。
それを持っている専門家や企業が、大きな価値を持っていた。
しかし、ChatGPTをはじめとする生成AIの登場で、何が起きたか。
情報や知識は、もはやコモディティ(ありふれたもの)になったのです。
まあ、言い方雑ですが、無価値とかゴミとかそんな感じですね。
「ググる」という行為すら古く感じられるほど、誰もが瞬時に、専門家レベルの知識にアクセスできる時代。
では、これから何が「希少」になるのでしょうか?
答えは明白です。
AIには絶対に創り出せないもの。
それは、人間にしか生み出せない、アナログな価値です。
AIが普及するほど、アナログが輝く理由
これは、まるで──
デジタル音楽が普及すればするほど、アナログレコードの価値が再評価されたのと同じ現象です。
完璧で効率的なものが溢れると、人は不完全で非効率なものに価値を見出す。
まあ、そんなもんなんだと思っておいてください。
AI時代に輝く3つのアナログ資産
で、具体的に、どんなアナログ価値が重要になるのか。
今回は3つに絞ってお伝えします。
1. 非効率な"体験"と"身体性"
AIは最短ルートを提示します。
でも、人間は時に、遠回りな旅のプロセスそのものを楽しむ。
焚き火の火をただ眺める時間。
目的もなく仲間と交わす雑談。
手作りの料理の不格好だが温かい味。
五感を通じて得られる、非効率で身体的な"体験"の価値は、デジタル化が進むほど相対的に高まります。
例えば、オンライン会議は確かに効率的です。
でも、対面で顔を合わせ、空気を読み、帰り道に雑談する。
その「無駄」の中にこそ、信頼関係が生まれる。
私も経営をしていますが、やっぱりリアルから生まれる仕事なんかは長続きしやすいなと思います。
あと、そんな繋がりがこれから本当に大事になってくるなーと。
2. 共感と"熱狂"
AIは論理的で完璧な文章や音楽を作れます。
でも、人の心を揺さぶる"熱狂"は生み出せません。
アーティストのライブで生まれる一体感。
スポーツで奇跡的な勝利がもたらす歓喜。
経営者が語るビジョンへの共感。
この不合理で感情的な"熱"こそが、人を動かす最大のエネルギーです。
あなたの会社のビジョンは、従業員の心に火をつけていますか?
数字だけで説明できるビジョンは、AIでも作れます。
でも、「この人と一緒なら世界を変えられる」と思わせる熱量は、人間にしか出せない。
これもこれで、一つの紛れもない事実だと思います。
3. 偶然の出会いと"化学反応"
AIは最適化されたマッチングはできます。
でも、予期せぬ"偶然の出会い"はデザインできません。
たまたま隣に座った人と意気投合して新しいビジネスが生まれる。
廊下で立ち話していたら、思わぬアイデアが降りてくる。
この予測不能な化学反応こそが、アナログな場の持つ最大の価値です。
では、これらのアナログ価値を最大化するために、経営者は何をすべきなのか。
まあ、別に経営者に限った話でもないんですが、簡単に説明していきますね。
小さく始める3ステップ
いきなり全社改革をする必要はありません。
まずは、以下の3ステップから始めてみてください。
Step 1: AI導入で「余白」を作る(1ヶ月)
まず、徹底的にAIを活用しましょう。
資料作成、議事録、メール返信、データ分析──非人間的な作業から人間を解放する。
これまでの業務を棚卸しし、「AIに任せられる作業」を洗い出すことから始めます。
例えば、週に10時間かかっていた資料作成を、AIで3時間に短縮できたとしましょう。
7時間の「余白」が生まれます。
この余白こそが、アナログ価値を生み出す原資です。
Step 2: 「体験」に再投資する(3ヶ月)
生まれた余白を、何に使うか。
ここが分かれ道です。
単に業務量を増やすのではなく、人間にしかできないアナログな価値創造に再投資してください。
例えば:
-
顧客との対話時間を2倍にする
-
月1回、全員参加の対面ミーティングを設ける
-
新規事業のアイデア出しに半日使う
-
社員旅行や懇親会に予算を割く
効率化で浮いた時間を、「非効率だけど人間的な活動」に振り向けるのです。
Step 3: 「繋がり」を資産化する(6ヶ月)
AIがどれだけ進化しても決してなくならない、むしろその価値が飛躍的に高まる究極のアナログ資産。
それこそが、「人との繋がり」です。
同じ志を持つ仲間と繋がり、知見を共有し、共に未来を創造していく。
この「繋がり」そして「コミュニティ」の力が、AI時代には不可欠になります。
具体的には:
-
業界の勉強会に参加する
-
社内で「AI活用事例」を共有する場を作る
-
他社の経営者と定期的に情報交換する
一人で全ての情報をキャッチアップするのは、もはや不可能です。
だからこそ、コミュニティの力を借りる。
AIに踊らされるのではなく、AIを使いこなし、人間性の価値を最大化する側へ。
波に流されるのではなく、波を作る側へ。
ぜひこの記事を、あなたの会社の、そしてあなた自身の「AIのその先」を考えるきっかけにしていただけたらと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ではまた次の記事で^^
【著者プロフィール】
吹上由樹(ふきあげ よしき)
株式会社Lean Stack 代表取締役
2021年4月 経済産業省へ入省
2023年7月 経済産業省を退職
2023年9月 株式会社Lean Stack設立
2025年2月 地上波テレビ番組出演
弊社HP:https://www.leanstack-buzz.com/
YouTubeチャンネル:DXできるくん
https://www.youtube.com/channel/UCpKWNCmxjPHYg6f8t3FaiUA
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