福島第一原発のある町、福島県大熊町で町長選挙が行われる。投票は11月20日に行われる。今も42都道府県に11,491人の町民が避難している中での町の未来をかけた選挙である。今回現職と新人のふたりが立候補しているが、住民がどこに戻って地域復興を図るか、そこで正反対の主張を掲げている。
現職の渡辺としつな氏は
「大熊町はひとつ
みんなで戻って復興再生を」
をスローガンに掲げ、線量の低い地域を復興拠点として再生をはかることを目標にしている。住民を元の地に戻したいということ。
一方、新人のこわた仁氏は放射線汚染の実態を厳しく直視しようとうたっている。
「地元には帰れない」
を前提にし、町民集団としての集団移住と、移住先での雇用・生活保障を政府に求めるとしている。
私は安全と健康の面から、そして原発撤廃をうたっていることでこわた氏の主張に賛成したいが、父祖から引き継いだ土地に戻りたいと念ずる人をを無視してはいけないとも考えている。正直なところここで対立してほしくない。どちらも採用して長期的な視野に立ってまずは集団移住を優先し、世代を超えることを覚悟して戻ることを(または新しい土地でくらすことを)視野に入れるというのが現実的ではないか。今、全国に散らばる住民を一ヶ所に集めるだけでも時間がかかるし、膨大な費用と負担がかかる。そして、何より怖いのは、地方行政が真っ向から対立して選挙を行うとしこりが残り地域間の対立が何世代も残ること。これは避けてほしい。
それにしても政府と国会議員はTPP参加問題で今日も議論を繰り広げていたが、今の政治は国策でつくった原発の被害で苦しむ人々を見捨ているとしかおもえない。TPPが大多数の関心事でそこで喧々諤々していれば目立つ、まるで売名行為に躍起になっているだけだ。大熊町の両候補の主張は政府が率先して行う、これこそ国策である。“フクシマ”と被災地を見捨てた政府に失望するばかりだ。