日本は台風が心配ですね。今年ほど色々な災害に見舞われる年は珍しいのではないでしょうか・・・。これ以上悪いことがなければ良いのですが・・・。
少しでも被害が少ないことを祈っています。
さて、長崎シリーズ(と勝手に命名しましたが・・・)第三弾は、雲仙について書いてみたいと思います。
雲仙といえば温泉、そして普賢岳・・・というイメージでしょうか。
実は大正~昭和初期にかけて、外国人観光客によって開発された高原の避暑地という顔を持ちますが、関東方面の居住者には意外と知られていないという印象を受けます。
雲仙は天草地方を含む長崎県島原半島と熊本県天草諸島に属する国立公園、日本初の国立公園(雲仙天草国立公園)に指定された温泉保養地。
温泉の開湯は701年(大宝元年)、行基による温泉山満明寺建立にまで遡り、キリシタン殉教悲史の舞台となっていることから世界的にも有名な温泉です。
以上のような歴史背景から、シーボルトらにより海外へ紹介された為、特に外国人を中心に人気が高く、当時の長崎が上海蒸気船に対する石炭の供給基地であったことも手伝って、明治・大正期には上海租界の欧米人の保養地として繁栄しました。
長崎温泉公園(大正)温泉地として開発が始まったのは約350年前、松平忠房の命により湯守を勤めた加藤善右衛門が湯宿(現在の湯元ホテル)を設置したことに始まり、幕末には吉田松陰らも訪れています。
温泉のみならず自然環境としては、高原や湖沼(上の写真は白雲の池)の風景にも富み、草花、野鳥の宝庫でもあります。特にミヤマキリシマ(ツツジ)については仁田峠を中心に5月が見ごろと言われています。
写真は2005年。まだ子供もいなかったので身軽でした・・・。
上の写真は普賢岳。荒々しさの一端がまだ伺えます。
さて本日ご紹介したい雲仙観光ホテルは、国立公園雲仙の大自然にとけこんだ山小屋風のクラシックホテルです
日本の在来建築にアルプス地方に見られるスイス山小屋風のデザインを融合させ、各所に手斧(ちょうな)削りと呼ばれる日本の伝統的な技も見られます。
竹中工務店、設計施工の第一号となったホテルでもあります。
1930年頃(昭和5年前後?)、日本への外国人客誘致による外貨獲得のための国策の一環として、当時上海航路(日本郵船運営)の存在により、外国人客が多く訪れていた雲仙に洋式ホテルの建設が決定しました。
上は長いエントランス入口付近からみたホテル。
ホテル外観。
この部屋は貴賓室(この部屋には泊まってません!!)。昭和天皇滞在時はこの部屋を使われたそうです。(画像はお借りしました)
ホテル備品。
開業以来、外国人を対象に考えられたこのホテルは、雲仙の恵まれた自然に囲まれ内外の評価も高まり、多くの賓客を迎えました。
ここを訪れた外国人観光客は、口ぐちに雲仙の絶景とホテルを「南欧チロルの山の美にリビアの海の美を加えたようなもの。」と絶賛したという逸話が残ります。
その後日本建築学会より近代日本の名建築に選ばれ、経済産業省の「近代化産業遺産」に認定されました。
ホテルレセプションからダイニング方面を臨みます。時間が遅かったので既にダイニングは閉じていますが、階段を上がったところがダイニング入口です。
この『雲仙観光ホテル』の見所の一つであるダイニング。
昭和初期までは外国人によるダンスパーティの会場としても使用されていたようです。
開業当時、避暑目的で訪れた外国人観光客向けに開発された当時のメニューが復刻されており、希望すればコースで楽しむことができます。もちろん我々は希望しました。
今流行りのミシュラン☆幾つ・・・というお店でみられるような凝りに凝った創作料理とは異なる伝統的なレシピです。大向こうを唸らせるようなお味ではなく、トラディショナルなフレンチ。
しかしそのトラディショナルなメニューゆえに、当時の日本人が、どうやって外国人をもてなそうかと試行錯誤をした跡が十分伺うことが出来て非常に楽しめるのです。
そして、何といっても雲仙、長崎、島原という海や山の食材に恵まれた環境を十分に生かしたお料理なのでとっても美味しく感じます。
人間の五感とは不思議なもんですね。
そういえば、長崎県のジャガイモ生産量が北海道に次ぐ第二位であることを教えていただいたのも、このダイニングのサーバーさんからでした。客とサーバーが食事の合間に気軽に色々な会話が出来るというのもこのホテルの大きな魅力の一つだと思います。
これまで色々なお店で食べてきましたが、またこの場所で食べてみたいと思わせるお料理です。
ダイニングを出て左側がバーになります。
食事の後はバーで一杯。
バーの中です。こじんまりした雰囲気で、いかにも山荘のバーというイメージ。
最近の改装で、少し広くなったと聞きました。
ビリヤード室。外国人観光客華やかりし時代を彷彿とさせますね。
図書室も完備。避暑目的、湯治目的による長期滞在にも十分対応できます。
このホテルの魅力は単なるレトロなクラシックホテルに留まらず、ホテルマンのサービスが非常に細かく行き届いている点です。
ホテルレセプションからダイニングのサーバーの方々まで、非常にサービスが心地良いと感じました。
まさに日本におけるユーロピアンスタイルのクラシックホテル。
地味ではあるけれど日本流のきめ細かい気遣いと心遣いが生かされたホテルです。
ちなみにこの後私達からの紹介で、両親も泊まりに行ったそうですが、コチコチのマニュアルサービスではない非常に融通の効いたサービスを受けたと感想を語っていました。
日本やヨーロッパでそこそこ多くの旅館や、クラシックスタイルのホテルに行きましたが、このホテルは必ずまた再訪したい、ということで家内と一致している数少ないホテルの一つです。
どうかこのグレードをそのまま維持して欲しい、そう願わずにはいられません
次回の“長崎シリーズ”は『西海国立公園(九十九島)』の予定です。
(時期未定・・・)





















