前回まで、水やりの意味について説明してまいりました。

もし水やりが、根を湿らせる為だけのものであれば、たぶん「根腐れ」というものを、心配する必要がなくなるでしょう。
今回はそこから、土壌の役割に移りたいと思います。


 土の中を水が通り抜けることで、空気の入れ換えができる
 ということがわかりました。

 では土さえ入っていれば、水やりの時に空気の
 入れ換えができるのでしょうか。

 当然、土の質や状態によって、水の流れ方が変わりますので、
 その効果は大きく違ってきます。

単粒構造

 一種類の用土でできた土壌の持つ構造です。
 同じサイズの小さな玉の集合体を想像してください。
 結構、目が詰まっています。
 そこに水を注ぐとどうなりますか?


大きな玉の集合体であれば、小さな水分子の玉は、簡単に隙間をすり抜けることになります。

しかし、用土の単粒粒が図の通りで、水が少し小さい程度の玉と考えると、まずほとんどが抜けていかないですね。


 実際のスケールで、「用土」と「水」の関係がこんなことであったら、
 当然水の通りは悪く、古い空気は下から逃げますが、
「水」は用土中に飽和されてしまいます。
 新鮮な空気も、上から入ることはありません。

 これを繰り返すと、雑菌が繁殖し、しまいには注いだ水が、
 嫌気性雑菌にとって絶好の培地を作ることになってしまいます。
 いつまでも残っている水分は、ひどい腐敗物になることもあります。

 だいたい新鮮な空気が入らないだけでも、もうよくないことですね。

 逆に乾燥が過ぎれば、砂ぼこりの集まりのようになりやすいのも単粒です。


著者: 片山 雅男, 下園 文雄, 清水 善和, 岩槻 邦男, 樹木・環境ネットワーク協会
タイトル: グリーンセイバー・アドバンス