Wアカ合格からあっという間に冬休みに入り、あっという間にお正月が明けました。
冬季講習は冬休み後半に設定されていました。
持ち物は筆箱とノートくらいで、中身がスカスカのリュックを背負って、S君と私はWアカに冬季講習に向かいました。
道すがら、S君は肩を落としました。
「先生の言っている事が全然わからなかったらどうしよう…」
気持ちはわかる、と思いました。
合格の高揚感は数日を待たず消え、次の心配が生まれていました。
ギリギリ勝ち取った合格ですが、他の塾生のお子さんのレベルも、授業のレベルもさっぱり分かりません。
授業中ずっと置いてけぼりでは、辛い時間になってしまいます。
事前に別校舎のWアカにお子さんが通っている同僚に話を聞いたところ、冬季講習は集客も兼ねているので、きっと人気講師が楽しく授業をしてくれるだろう、との事でした。
いくら楽しい授業でも、理解ができなければお経と同じです。
「勉強のプロってどんな感じだろう」
S君は心配そうに呟きました。
S君の父親はS君の合格を聞いて
「すごいなぁ。勉強のプロに教えてもらえるんだな!」
とS君を称えました。
S君はその言葉が印象残っているようです。
校舎に着くと、S君は心細そうに教室に消えていきました。
私はいつものコーヒーショップでいつものようにソワソワしながら、授業が終わるのをまちました。
終了予定時刻にS君を迎えに行くと、明るい表情で出てきました。
少なくともお経を聞く2時間では無かったようです。
校舎を出て感想と聞くと、S君は珍しく興奮した様子で言いました。
「お母さん、僕、割り算ができるようになったよ!!」
もちろん学校でも家庭でもやった事はありません。
「ねぇ、何か問題出してみてよ!」
「え!?えーっと、じゃあ、10÷2は?」
「5!」
私は驚いて言葉もありませんでした。
「凄く楽しかったよ!授業があっという間だった!先生が面白くて笑っちゃった!僕合格してよかったなぁ」
私はその言葉で報われた気がしました。
それは私が初めて見た、S君の「成功体験」と自信に満ちた表情でした。
この先、Wアカデミーに挫折する日が来たとしても、この日を感動を忘れないようにしようと心に誓いました。