Wアカデミーの入塾テストは、国語と算数各々100点満点で、S君の受けた校舎の新小3は、2科目合わせて100取れれば合格との事でした。
この辺は、校舎によって基準は違うかもしれません。
計算問題や小2で習う漢字がきちんと出来て、簡単な文章題や読解が出来る、いわゆる基礎学力の土台があれば基準点には達するよううまく作られています。
応用問題や学校よりも少し進んだ内容も出ます。
この辺は学力の高い子を見極める為のものかなと思いました。
学力がギリギリの子が合格するには、
「出来る問題を落とさない」
これが重要かと思います。
不合格だった入塾テストの帰り道、S君がポツリと言いました。
「Wアカデミーはなかなか僕を入れてくれないね」
そうだね、と答えながら
「塾はここだけじゃないよ。お母さんが他も色々調べてみるね」
となるべく明るく背中をさすってあげました。
するとS君は驚いたように言いました。
「先生は何回も受けて良いって言ってたよ。もう受けないの?」
「だって難しいでしょう」
「そうだね、さすがスーパーサイヤ人の塾だね」
S君はドラゴンボールにハマっており、Wアカデミーをそう評しました。
「前のチャレンジの時、いっぱい手を上げてた子がいたでしょう。あれは、スーパーサイヤ人だと僕は思ったよ」
解説授業で手をあけで発言していたお子さんたちの事です。
「僕はヤムチャだなぁ」
S君は落ち込んだ様子もなく言いました。
「僕もWアカに入れば、スーパーサイヤ人になれる?」
ヤムチャは地球人だからスーパーサイヤ人にはなれないなぁと思いながら、「なりたいの?」と聞いてみました。
「そりゃあ、なりたいよ」
S君は答えました。
「僕はWアカのテストいつも散々だよ。でもなんかあとちょっとって感じがするんだよ」
私は少し驚きながら、立ち止まりました。
S君は私を見上げて言いました。
「僕は入れるまで受けるよ」
私は慎重に言葉を選びました。
「S君、Wアカにはあのテストが全部できるような子も沢山入ってくるよ。もしS君が入れてもスーパーサイヤ人にはなれないかもしれないよ」
「いや、あの難しいテストに合格できたら、サイヤ人だと思うね」
S君はきっぱり言いました。
「僕はWアカに入ってみたい」
私の顔色を伺っている様子はありませんでした。
もしかしたら、私の感情を敏感に察して、ご機嫌を取るために言っていたのかもしれません。
でも私はこの時、彼の意思表明を否定するべきではないと思いました。
「分かった、S君。お母さんとS君は、まずはWアカ合格を目標にして頑張ってみよう!」
「何回落ちても良いよね」
「そうだよ、何回落ちても大丈夫だよ。私たちはヤムチャだし」
S君は「レベル低くて良いね!」と笑いました。