衝撃のチャレンジテストから数日後、校舎から電話連絡がありました。


「残念ながら、お預かりすることできない状況です」


分かってはいたけれど、否定されたようでズキッときました。

S君もですが、きっとあの時私はそれ以上に、今までの自分の子育てが否定されたような気がしていたのです。


務めて平静を装いながら、これからどうしよう、とぼんやりしている私に、電話口の先生から提案がありました。

「入塾テストを受けてみませんか?チャレンジテストは難しく設定しています。入塾テストはそれよりも標準的な問題が出ます」


瞬間的にたくさんの想いが吹き出しました。

S君に成功体験を積ませてあげたい。

合格者したS君の嬉しそうな笑顔が見たい。

でも、また失敗したら?

そもそも、レベルが違うのでは?


混乱しながら私は

「ぜひお願いします」

と答えていました。


今なら分かります。

私はS君がWアカデミーに入らなかった事に、偏差値25という数字に、とてつもない不安を感じていて、それをどうにか払拭したかったのです。


S君に「普通」から外れてほしくない。

標準偏差の上位でなくていい、真ん中の大きな山の中にいて欲しい。

そうでなければ幸せになれないかもしれない。


S君のためではなく、私の不安を解消する為でした。

生まれつき与えられた資質の中で、一生懸命頑張って生きてきたS君は、私の偏った妄執に巻き込まれたのです。


入塾テストを受けに行こうと言った私の言葉に、S君は素直に「いいよ」と頷きました。


テストまで1週間。

その間できるだけの準備はしました。

漢字の書き取り、文章読解、算数の文章問題、計算問題。


結果は不合格でした。