ここから始まる-若き竜王の伝説
好きな本と言うものは多かれ少なかれ影響を与えているとは思いますが、中でもこの本は私に多大な影響を与えてくれました。
中学時代に読んだこの本の影響で卒業論文のテーマが決まったと言っても過言ではありません。
ジャンルとしてはSFとかスペースオペラに分類されるもの思います。
狂気に囚われた王弟に王位を渡す訳には行かないと、忠臣に請われて妾腹の王子が冒険と成長と戦いの果てに王位に就くお話。単純化すると古典的なお話ですが、それ故に古来からの"お約束"のようなものが守られていて読みやすくなっています。舞台が宇宙だからSFやスペオペなんだけど、戦いは戦艦や戦闘機ではなく、神器を用いる霊力が鍵となってます。
その霊力を用いる際の描写や考え方が、私には大変しっくりと来るものでした。精神世界のイメージの仕方が私の感覚にマッチしていました。
作中で語られている象徴色彩論も、感性を刺激してくれました。
テンポよく進むストーリーに引き込まれ、ベースとなっている心理学に共感し、すっかりハマってしまいました。
読み返す度に、ローザの格好よさやヴェルくんの可愛さに胸をときめかせたり、彼らに励まされたりする魅惑の一冊です。