内診を終えて先生の説明を聞く。



私の右卵巣付近にあるものはチョコレート嚢胞だと言われた。初めて聞く言葉にぴんと来ない私は、ただ頷くばかり。理解が追い付かない私は、先生のある言葉に思わず声を上げた。



「このくらい大きいと手術で取っちゃうのがいいかもね」

「え?」



以前も書いたが、今まで私は幸運な事に大病も患わず、健康が唯一の取り柄と言っても過言ではなかった。その私が手術?!しかも得体の知れない美味しそうな病名で?!



先生からは、生理中でチョコレートが大きくなっているだけかもしれないから、生理が終わったら来て下さいと言われ、翌週の土曜に予約を入れた。そして家に着いて早々情報収集を行った。



チョコレート嚢胞とは、簡単に言うと子宮内膜症性の病気らしい。そもそも子宮内膜症とは、本来子宮の内面を覆っている内膜と同じ組織が子宮以外にできることで、病状が進行すると、卵巣内に嚢胞を形成し、月経時の血液などがその嚢胞に溜まっていく。それがチョコレート嚢胞ということだった。



通常は5㎝以上で手術を考慮するとのことだが、この時点で私の中には9×8㎝のチョコレートが卵管を塞いでいた。そのせいで今周期は排卵していないかもと言われた。確かに体温は全く高温期に入っていなかったし、そして何より病院にかかる数日前に右側に鈍痛が夜通しあって眠れなかったことがあったのを思い出した。



今まで私は自分に不妊の原因があるとは全く考えてこなかった。男性不妊であることは事実だし、私は問題を指摘されたことは一度だってなかった。実際1年前に治療していた頃には全くこのような症状は出ていなかった。ショックが大きかった。なぜこのタイミングだったのだろう。わざわざ治療を休んでいる期間を狙って発症しなくてもよいじゃないか。



明るい未来に向かって、大手を振って一歩進んだはずだった。でも進めない。足踏みして後退する。今にも折れそうな心を、旦那の励ましを受けながら一生懸命支えた。