叔母の腹巻ですねー。
修理してあげたら夫も喜びます。
でもねー。
夫の編物に対しては私はトラウマがあるのです。
実はね。
昔々 息子が幼稚園に入る前くらいかな?
編物初心者の私はお友達に教えてもらって頑張って息子のセーターを編んだのね。
ウルトラマンが好きだったから前身頃いっぱいにウルトラマンの刺繍もしてね。
小さいサイズだったから割に早く出来たのよ。
これに気を良くした私は次に
夫にも作ってあげましょうと思ってね。
ミニサイズのセーターを編んだから大サイズは
根気だけだから何とかなると思ったのよ。
でもねー。
夫はセーターはいらないからカーディガンを編んでって言ってきたのよ。
へっ?、カーディガン?
編めるんだろうか?と思ったんだけど、頑張って編むことにしました。
で、涙ぐましい悪戦苦闘の結果、
めでたくカーディガンが完成いたしました。
\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/
男物のカーディガンで外ポケットもつけ、前立て、ボタン穴をつくりボタンをつけると一気に
編物初心者から中級者になった気分でした。
で、得意満面で夫に渡した私ですが
カーディガンを着た夫は
「袖が短いなあ。」と言うのです。
見たら、夫は人より手が長い人間でした。
編物初心者で小さい息子のセーターを編んだだけの人間が頑張って大人の男性のカーディガンを編むだけでも、普通の人間が富士山に登るくらいに大変なのよ。
本の通りに毛糸、針棒、サイズを見て編んで、本の通りに出来上がったのだけでもすごいのに。
でもねー。
ここまできたら後に引けないし、
人に頼まれたらイヤと言えない私なので
(世の中に何で編物があるねん。)と呪いながらまたもや頑張りましたよ。
で、ヘロヘロになりながら夫に着せると
今度は袖が長いねんて。Σ(・□・;)
「それ位大したことないやん。袖が長いくらい、まくしあげたらいいやん。」と私。
「袖口がモコモコするのはイヤやねん。」とのたまう夫。
ここでブチ切れた私。
その後、そのカーディガンはゴミ箱に直行しました。
あれから35年近くたったけど、あれ以来私はただの一度も夫に編物で何かを作ったことはありません。
この間から夫のお気に入りの腹巻がほつれかけてるのは知ってました。
でも、修理する気などさらさらない私は市販の腹巻を買って来て夫に渡しました。
いよいよダメになったらその市販の腹巻を使うのかと思ったけど、見てても使わないのです。
写メールを送ってどの腹巻がいいか?本人に聞いて買ってきたのにね。
で、どうするのかと思って見てたら
昨日、リビングの椅子に叔母の腹巻をそっとかけているのです。
無言の修理アピールです。
これがねー。
「直せるもんなら直して」と言われたのなら私は拒否してるの。
でもねー。
黙って椅子にかけられてる腹巻を見たらね。
で、昨日は夫の腹巻を修理した私です。
トラウマのある私が 編物をほどいて編みなおすことができるのだろうか?
目が悪くなってるのに、極細毛糸、細い針で修理できるのだろうか?
と心配しましたが、
私も何も言わずさりげなくテーブルに置いておきました。
「おっ、新品になってる。」と嬉しそうに夫は言って二階寝室へ持って行きました。
記憶力のいい夫はあのカーディガンの件は忘れてはいないでしょう。
編物初心者の私に悪いことをしたと思っていたのでしょう。
「新品になってる。」
この夫の言葉には、あの時の謝罪と今回のお礼の気持ちが込められていました。
昨日は夫と私の編物のトラウマが消えた日でした。
叔母の腹巻が消してくれました。
ありがとう。
叔母さん。
二人の長年のトラウマを消してくれて。
あなたの編んだ腹巻はあなたが大好きだった夫が大事に使ってくれてますよー。
ありがとうね。
叔母さん。
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