昨日の朝日新聞、投書欄、57歳男性。
寄り添い半世紀 最後のキス
2月23日、叔父が82歳で亡くなり親族のみ20人の葬儀があった。
4歳年下の叔母は、叔父との思い出をつづったメッセージカードを配った。
51年前、叔父は結婚後初めての叔母の誕生日に
、箱に入った真っ赤な一輪のバラの花をプレゼントしたという。
バラの花を贈るのは珍しい時代だった。
会社帰りにレコード店で待ち合わせし、お互いが好きなバイオリンのレコードを買って帰り、自宅で聴いていたという。
子供を持たず、仲の良い夫婦だった。
私も子供の頃可愛がってもらった。
出棺前の最後のお別れ。
叔母が棺の中の叔父に顔を近づけた。
何かを話しかけるのかと思いきや、
軽く触れるようなキスをした。
周りの目を気にすることもなく、自然で、
すがすがしかった。
棺の中の叔父は生きていた時と同じように、
穏やかで優しい顔をしていた。
素敵なご夫婦のお話で、胸が熱くなった。
誰もがこうありたいと思うけど、
なかなかこんな素敵なご夫婦にはなれない。
子供のいない夫婦は仲の良い夫婦が多いように思うけど、こんな素敵なご夫婦は少ない。
私の場合はどうだろうか。
すんなりと結婚したわけではなく
困難を乗り越えてやっと38年前の3月に結婚した私達夫婦。
その前月の2月の私の誕生日にブローチを
プレゼントしてくれた夫。
ガーネットの素敵なブローチだった。
結婚38年経った今も
夫は事あるごとにプレゼントしてくれる。
いつまでも手をつなぐ約束も守ってくれている。
喧嘩もするし、お互いに言いたいことも言う。
仲の良い夫婦だと思う。
このご夫婦とまでは行かないまでも
素敵な夫婦だったと思えるような
終わりを迎えたいと思う。
私が先に逝くのではなく
出来れば私が夫を見送りたい。
夫に書いた手紙を棺に納めたい。
最後の手紙を。
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