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春夏秋冬の味

春のキーワードは「苦味」です。タラの芽、菜の花、たけのこ、ふきのとう……、山菜をはじめとした苦味のある春野菜、和食の世界では「春の皿には苦味を盛れ」といわれますが、日本では古くから春野菜が持つ苦味や香りは心身を刺激して活性化させるといわれています。実際、春野菜には解毒作用や抗酸化作用の働きの高いものが多く、冬の間にため込んだ老廃物を排出したり、暖かい季節へ向かって心身をいきいきとさせてくれるのです。

夏のキーワードは「体を冷やす」です。体を冷やす野菜は暖かい地域で夏に収穫するものが多く、体を温める野菜は寒い地域で冬に収穫するものが多いと、東洋医学では教えます。そして、上に向かって育つ野菜は体を冷やす野菜が多く、逆に下に向かって育つ野菜は体を温める野菜が多いと教えます。開放的になる季節と内向的になる季節の違いが、野菜の育ち方にも表れているようです。

秋のキーワードは「ジビエ」です。この季節は美味しくかつ栄養素も高い食品が豊富です。内にこもる冬に向けて、栄養を蓄えるという時期でもあるからです。秋から冬にかけて見逃せないのが何といっても「ジビエ」で、家畜と違って、野生で育った鳥獣の肉は筋肉質で脂肪分が少なく、高タンパク・高ミネラル・低カロリー。鉄分や動脈硬化を防ぐリノレン酸がたっぷり含まれているものが多いのが特徴です。ジビエは放射能の影響を受けやすいので産地を選びます。

冬のキーワードは「鍋」です。和出汁のシンプルな鍋にしゃぶしゃぶ、すき焼き、豆乳鍋、キムチ鍋、坦々鍋、タジン鍋……。つくるのは簡単で、野菜も肉も魚もたっぷり摂れます。水溶性ビタミンを多く含む白菜やにんじん、ブロッコリーなどは、茹でるとビタミンが水に溶けてしまうといいますが、鍋の場合は出汁やスープも一緒に楽しめるので、栄養素を余すことなく堪能することができます。そこで使う野菜やお肉、お魚の素材を「本物」にするだけで、いつもの鍋もグッと美味しくなるはずです。間違っても、つけダレに食品添加物が入った市販のポン酢なんかは用意しないことです。