第1章
美容師が、中医学を学ぶ‼️までー1
毛髪科学、ケミカル、理論…
そんな勉強をスタートさせたのは
美容学校を出て
最初に入店した美容室での出来事が
きっかけでした。
美容師一年生の僕に
先輩たちは、口を揃えてこう言いました。
『わからない事は、何でも聞いて!』
優しい先輩たちに甘えて
僕は沢山の質問をしました。
先輩!
シャンプーって、何で泡立つんですか?
シャンプーをしたら
汚れが落ちるって言いますが…
最初から、目に見えない汚れが
落ちた!って、何で言い切ることが
出来るんですか?
カラーって何で染まるんですか?
パーマ液の違いを教えてください!
白髪って何で生えるんですか?
美容師向けの専門誌ですが
可愛いスタイル!
カッコイイスタイル!って
言いますけど
それって見る人によって、または
その髪型を好むお客様の顔立ちに
よって変わるんじゃないかと
思うんですけど…
何で、カッコイイスタイル!とか
可愛いスタイル!とか
この人達は言い切ることが出来るんですか?
そんな僕に
優しい先輩たちは…
こう言ったのに……
『わからない事は、何でも聞いて!』
そんな先輩たちは
こう、答えるんです。
『そんなこと、考える前に』と
前置きして…
早く、シャンプー出来るようになれよ!
早く、カラーを塗れるようになれよ!
パーマが巻けるようになるのが先にじゃないか?
くせ毛のブロー、早く出来るようになれよ!
誰も、僕の質問には…
答えては、くれませんでした!
な~んだ!
しらねーのか!
こいつらに聞いても知らねーんだ!
聞いてもムダ!
こんな先輩に、なりたくない‼️
それからの僕は…
寡黙に、黙々と
技術に打ち込みました。
休みを使って一日中、
給料を使って、講習に出向き
練習に必要な物を買い揃え
使い捨ての物も山ほど買って
延々と、黙々と練習して
19歳の僕は
当時の全てを
技術習得に捧げている最中
優しい先輩たちは
こう、いい放ちました!
『美容師は、技術だけじゃない!』
人の心や想いを
打ち砕くことが好きなのか?
こいつらは!
考えるな!
早く出来るようになれ!
そう言い放った、お前達に
認めてもらいたくて…
上手くなりたくて
食費も削って
休みも遊ばず
お金を使って
技術を身につけることに
命を捧げている、この俺に
奴らは、言ってはならない事を
ヘラヘラ笑いながら言いやがった!
技術だけじゃない‼️と
そんなことは分かってる!
俺は今、
頑張っても、頑張っても
合格をもらえない事に挫折も経験し
中々、上手くならない事に
創意工夫をし
技術習得を通して
人間性も向上出来るようにと
何もかもを全てかけて
やってるじゃないか!
そんな時期
中途採用で入って来た先輩がいた。
彼は、ある営業中
シャンプーを担当している僕に
ダメだよ!って
お客様には、わからない様に
ジェスチャーを送って来る。
…
その日の営業が終わり
僕はまた1人
練習を始め、寡黙に黙々と
打ち込んだ。
深夜になり、裏から物音がする。
見に行くと…
その中途採用の先輩だった!
え?
まだ、居たんですか??
すると彼はこう言った。
今日さぁ
俺は君に…
ダメだよ!って合図を送ったよね!
あれの意味わかった?
…
いいえ。
分かりませんでした。
じゃあさぁ
…
俺は、君がそれを聞きに来るまで
ずっと待ってるからねっ!
…
涙しか出なかった。
声が出なかった。
立ち尽くし…
膝から崩れ落ちた。。。
先輩は、肩を抱いてくれた。
何でも、教えるから!
ずっと、待ってるから
『何でも、聞きにこいよ!』
今日、君が選んだシャンプーは
あのお客様のお髪には合わない!
君は、明らかに
シャンプーの選び方をミスした!
教えてもらってないんだろ??
知りたくないか?
僕は、また…
涙しか出なかった。
頷くことが精一杯だった。
続く