その日はテストが終わって、午後から暇であった。
本来は勉強すべきなので有ろうが、私はなんとなくそんな気が起こらず、半ば吸い込まれるようにして帰り道の途中にあるイオンモールへと足を運んだ。イオンモールで行く場所は決まっている。書店である。いつもならラノベの置いてあるコーナーへと足を踏み入れるのであるが、その時はなんとなく、いつも近寄りがたかった歴史書の置いてあるコーナーへと足を進めた。

驚いた。世界史日本史、哲学史、人類史にとどまらず、あらゆるものについての歴史書がある。その本をさらに解説する本まである。さらにその隣には、今まで授業で名前だけ覚えてきた様々な歴史書籍が日本語に翻訳されて陳列している。
その空間は人が少なく、その割に明るく広くなんとなく神聖な雰囲気がした。時間も空間もずっと遠く離れた自分と繋がっている。そして、その間には様々な人達の努力がある。そんなことを改めて感じて、1人ゴキゲンでいた。本を読みたいと思った。もちろん今でも読む時はあるが、どうしても受験勉強というプレッシャーがあってずっと読んでいるという訳にはいかない。なんだか本を読む方が受験勉強よりよっぽど大切なんじゃないかなんて、受験勉強なんてクソくらえだなんて思えてきたけれど、やっぱり受験勉強も大切ダヨナアと思い直して、今は大学生になっていっぱい本を読んで、やりたいことをのんびりやる準備期間だからと思うに止めた。

外に出て、暑っついなあとつぶやきながら、初夏のわくわくするような乾いた空気の中を、私は1人駆けていった。