SPCは仏教の祖である釈尊生誕の地、ネパール国のルンビニに、寺子屋や井戸の支援を継続的に行っています。ネパールの大統領、ヤムバラン・ヤーダブ氏には三度接見し、その度にメッセージ文を贈り、難局に於ける氏の姿勢を褒め讃えてきました。本年3月には、国民全体幸福度世界一の国、ブータンを訪問し、第五代国王であるジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク氏と接見します。私は、前国王であるジグミ・シンゲ・ワンチュク氏とも接見し、憲法や政令、そして国民の生活の安定と安寧を築き上げた様子を拝聴することを楽しみにしています。
 ブータンの在り方を俯瞰した「鳥の目」で見て学ぶことで、転じて、「蟲の目」「魚の目」で我が業界を見たとき、私は現在の理美容師法の足りなさに愕然とした想いを強くすることになります。
 今の理美容師法は「師」の意味を無視しているということに、どのくらいの人が気づいているのでしょうか。私は誰も気づいていないと思えてなりません。「師」の持っている尊厳や、畏敬、敬愛するべきものを問わずに、ただ生業の作業の範囲だけを規定しているに過ぎない今の理美容師法は、時代の最先端を駆ける業界の法律でありながら、全く時代から遅れていると言わざるを得ません。
 理美容師法の第一条には「理容師・美容師は資質の向上をもってその職務にあたる」とする法令改正が第一義であるべきです。抱き合わせの改正は必要ありません。今年こそ、法令改正を実現させたいと強く決心する次第です。