横山義幸著 「真実(ぬくもり)の驚異」より抜粋

ブランドイメージというものがあります。ソニー・東芝、トヨターホンダ、
三越・西武、ダイエー・イトーヨーカドー。こうした企業から皆さんはどの
ようなイメージを抱きますか。ブランドイメージはある意味で人の持つ人格
のようなものです。そして、ブランドや人格は一見固定化し、できあがった
もののようにとらえがちですが、常に進化し続けています。その努力をしな
企業はいずれ退化し、消滅していきます。それでは、SPCJAPAN(以
降SPCと表記します)は外からどのようなイメージを持たれているのでし
ょうか。理美容業界やその周辺では「安売りグループ」「理美容界の乱暴者」
といったイメージがSPCには定着しているようです。果たして、このイメ
ージはSPCの実態をとらえたものでしょうか、それとも単なる虚像なので
しょうか。
 SPCは社会的には株式会社でもなければ、社団、財団といった法人でも
ありません。一言でいえば、国境・人種・宗教・年齢・性別・地域を超えた
二十一世紀の理美容業界に夢と可能性を求める理美容室経営者のボランタリ
ーの任意組織ということになるでしょうか。入会資格は現在のところ理美容
室の経営者であること、入会金と会費が必要です。パンフレット的に説明し
ますと、設立は昭和四十二年五月、活動内容は理美容経営の指導、教育、海
外技術研修、業界動向の情報交換、経営セミナー、全国レベルの技術コンテ
スト等です。しかし、なんといってもSPCが他の団体と違うところは、具
体としての経営ノウハウの研譜を通して、組織としての基本軌道と理念の具
現化により重点を置いていることでしょうか。別のいい方をすれば、普遍の
真理を内包した「真実(ぬくもり)」を語ることの大切さを、仕事の場で反映
させていくこと。会員一人一人が自己研讃を通して「真実」を体得すること
がSPCの真の狙いであり、他団体と大きく異なるところなのです。現在、
SPCは日本全国会員数五百八十四名、従業員数六千名、総店舗数一千六百
店、年間動員客数四百五十万人、全会員による年間総売り上げは約八百億円
強となっています。