この度、平成23年1月17日付で、SPC JAPAN全国理美容事業協同組合連合会という22文字にも及ぶ長い名前の事業協同組合の全国組織を、厚生労働大臣より設立認可していただきました。


これまで、業界に於いて理容と美容を二分していた、理容組合、美容組合に次ぐ第三の「理美容組合」組織であります。これは今日の理美容業界の変化を鑑みると、最も近代的であるといえます。


しかもそれは、シンプルに純粋な人間関係の「絆」で結ばれ、私欲ではなく公的な理想へと進む努力を厭わない組織の誕生です。


全国理美容事業協同組合連合会の基礎となっているSPC JAPANという組織は、1966年に7名の仲間が理美容技術者集団として発足させました。


東京神田に拠点を置き、論理と技能のいわゆる「文武両道」の追求から始まっています。その後、今日までの46年間の中で、「職業を通じての人間形成」という目的に向かい、継続的に目標を達成していく中から組織の「理念」が生まれ、「基本軌道」が生まれ、『SPC憲章─地球環境保全─マスターキー「Ⅲ」(意識の構造化を表す)』が生み出され、組織の会員は「SPCグランドデザイン」という生涯指針の実践に喜々として取り組んでいます。


 会員各社の社員教育に於いては、毎月1回「ミッドナイトアカデミー」という、ミニコンテストや技術勉強会を営業時間後に開催しており、17年間継続されています。また、毎年秋には「全日本理美容選手権大会」を開催し、海外も含めて15ブロックから延べ1万人の選手が技術のみならず、「人間形成」を大きな目的として「匠」への道のりを歩むことを大きくバックアップしています。


 経営者も従業者も、共に、SPCの意味するところである太陽(Sunny)と情熱(Passion)の仲間(Chain)を体現しながら、職業を通じての人間形成をしているのです。


 また、理美容業界の現状として、理容師法、美容師法の第一条には人間としての目的である「生命の尊厳・畏敬」を表す大義が欠落し、労働の範囲をルール化したものに過ぎないことを憂慮し、全国で67万人を超える理美容師の人格向上を掲げ、社会的地位の向上を目指して文化を形成していけるよう、法律の改訂を働きかけています。


 こうして組織全体で現実と理想の一体化に向けて突き進んでいる中で、文化的かつ社会的要請の必然のプロセスとして全国理美容事業協同組合連合会は生まれました。


 この連合会の会長である森脇慎一氏は、島根県に於いて美容室を18店舗経営し、150名の従業員を擁し、移動理美容車を10台、介護施設を2カ所持ち、島根県に於ける倫理法人会の立ち上げに寄与し、会長の任期を終了した現在は相談役に就いています。


森脇氏をはじめ、連合会に所属する各地の事業協同組合代表は、SPC JAPAN本体の組織と同様に、無給で連合会の運営にあたっています。組織に「奉仕貢献」が根付いているので、生活基盤がしっかりとした人望のある人物が役職に就いているのです。


それは、言い換えれば、時代の流れを掴んでいる人物が役職に就いているということです。



今日、私達の業界を取り巻いているニーズは、理美容業の産業化、理容業、美容業の一体化であり、理美容師免許の一本化の概念です。私達は40年以上前から、このことを実践し、実証してきています。


 私達の組織は、弱者をいたわること、すなわちSPC理念の一節にある「職業の利益追求以前に人間形成と仲間作りに汗を流す」奉仕貢献の能力のある人物が「長」となります。それゆえに、まだ力のない組織員が頼りとする連合会は「神聖」なところに位置し、その「長」は金銭等物質による報酬を受ける事がないのです。


 そして、私達の組織は、職業を通しての利益追求よりも、職業を通じてそれに携わっている一人一人が人間力を高めることに重きを置いています。本来、「教育(エデュケーション)」とは、「引き出す」「輝ける生命で生きる」という意味であると捉えています。そのための訓練が職場で為されるので、働く場は涙や汗で満たされ、ピュアに生きるための「美」「力」「調和」を学び、磨くことができるのです。


 奉仕貢献力のある人物の運営によって、革新の息吹に燃えているSPC JAPAN全国理美容事業協同組合連合会は、「腐らない 曲がらない 歪まない」発展の道のりが明るく約束されています。21世紀を担う組合連合会の在り方のモデルであると自負しております。


 SPC JAPAN全国理美容事業協同組合連合会は、厚生労働大臣の認可を受けていますが、この連合会の基礎となっているSPC JAPAN─SPC UNITEDの在り方は、連合会の所轄官庁が文部科学省、経済産業省に移行してもすぐに対応できる幅を持っています。


SPC JAPAN全国理美容事業協同組合連合会 

最高顧問 横山 義幸