日本では、理容と美容のOMCは、別々の組織として

厚生労働省の管轄下にあります。

私は、その両方のOMC組織に所属し、「本籍」として位置づけ、

OMC組織をたいへん重要なものとしています。


そして、「現住所」として、「太陽と情熱の仲間」という意味を

持った名前の研究団体を創設し、以来40余年の間、毎月研究会を

開催し、その一環としてコンクールを開いてきました。


研究会とコンクールを開催することで、経営者とスタッフの労働意欲を

高め、向上心を高揚させてきました。


義務教育のみを受けて社会に出た私が、この世界に入って、

社会で成功するには、「技術」を磨くしかないと覚悟をし、

人一倍の努力をしてきました。


コンテストでは、「スピーチ」と「技術」の二部門に積極的に参加し、

文武の両道で自分を鍛え続けました。

それはまさしく、私の「匠」「名人」への修行の時間帯でした。


やがて私は、技術者から経営者になりました。

経営者として、意識を「私」の領域から「公」の領域へと変革をしなくては

ならないと考え、経営のひとつの目標として「繁盛店づくり」を掲げました。


繁盛店づくりの基本は、技術力と接客サービスです。


今日ではさらに高度なホスピタリティ(おもてなし)接客が求められていますが、

これは世界的傾向と言えるでしょう。

さらに、繁盛店を作ることだけでは足りないものがある、

働くことの意味はもっと深いものではないかと私は考えました。


そして私がたどり着いた結論は、一緒に働く仲間に奉仕するという考え方でした。

そのためには、智慧と精神的パワーを高めて人間力をつけ、

「私」から「公」への意識の変革が必要となります。

このことを「使命観を持った生き方」と言います。


この生き方から高い意識が芽生え、成長し、やがて理美容産業の在り方を

考えるようになっていくのです。

そうした意識を持った仲間を増やしていくことが、この業界の社会的地位向上に

つながっていくに違いありません。

今、台湾の理美容業界の中心的組織であるOMC理事長の陳徳雄氏は、

OMCアジアエリアのリーダーとして光る存在になってきています。


その輝きが、広く強く拡大されていくことを深く祈念しております。