A:「どうも~!」
B:「いやぁオレ最近鼻づまりがひどくてさ、近所の物知りのおじさんによると、どうやら妖怪にとりつかれているせいなんだとさ」
A:「かつがれてるよ!花粉症だろ!」
B:「それで勧められるままにこんな本を購入してみてさ」
A:「絶対まんまと騙されてるよ!」
B:「ジャーン!『本当は恐ろしい、妖怪事典』!」
A:「本当も何も、元来恐ろしいものだろ!」
B:「さ~てどの妖怪から知りたい?」
A:「さして興味ないよ!」
B:「おいおい、強がるんじゃねぇよ!」
A:「いやリアルに聞く気ないんだってば!」
B:「じゃまずはこれね!【子泣き爺い】『―――現在我が国で最も観測数の多い妖怪。』」
A:「さすがに観測はゼロだろ!」
B:「『息子夫婦に泣きつき、面倒をみてもらっている老人一般を指す。』」
A:「指さねぇよ!『子泣き』ってそういうことじゃねぇよ!」
B:「『息子夫婦からすれば、まさに重荷。』」
A:「そこまで言うな!」
B:「『ちなみに普段は朝食時にコーヒーを淹れて楽しむ。』」
A:「それ『こなき』じゃねぇよ!『粉挽き(こなひき)』だろ!」
B:「さてお次はこちら!【座敷童子】『―――主に岩手県に伝えられる精霊的な存在。』」
A:「おっ今度はまともだな」
B:「『地方によって呼び名は様々であり、『座敷ぼっこ』、『座敷童』、さらに一部では『せんとくん』とも。』」
A:「いやあれ妖怪じゃねぇよ!」
B:「【猫むすめ】『―――①病気がちな少女。』」
A:「そりゃ『ねこむすめ』じゃなくて『寝込む娘』だ!」
B:「『②特に女性の間で不動の人気を誇るキャラクター。』」
A:「え!?」
B:「『一般には『キティちゃん』の名で親しまれている。』」
A:「いやそっちは猫そのものだろ!」
B:「【鼠小僧】『―――世界的には『ミッキーマウス』の呼称の方が浸透している。』」
A:「それもまったくの別物だバッキャロ!」
B:「『演歌を生業とする。』」
A:「それは鼠先輩だろ!」
B:「『なおその恋相手をミニーマウスと思っている人が多数いるが、』」
A:「えっ違うの?」
B:「『正しくはプルートである。』」
A:「正しくねぇよ!ペットだろそりゃあ!」
B:「【鬼太郎】『―――ある意味一つ目小僧。』」
A:「…それだけ?!」
B:「【目玉親父】『―――ある意味一つ目小僧。』」
A:「何で急に雑になるんだよ説明が!」
B:「【砂かけ婆あ】『―――背中に毛がびっしり生えた老婆。』」
A:「『砂かけ』関係ねぇよ!『背中・毛』婆あになってるだろが!」
B:「【一反木綿】『―――白い装束に身を包む妖怪。つい数年前に『パナウェーブ』の名で騒がれた。』」
A:「違ぇよ!」
B:「【ぬりかべ】『―――福岡県遠賀郡に伝わる妖怪。夜道の歩行を妨げる。またその巨体で、日本代表としてサッカーゴールを守る。『守護神』、『川口』とも。』」
A:「おいコラ!ウソつくな!」
B:「『なお同様の伝承は世界各地で言い伝えられている。例:パラグアイの『チラベルト』。』」
A:「またゴールキーパーかよ!」
B:「【トイレの花子さん】」
A:「それ妖怪というより幽霊だよ!」
B:「【のっぺらぼう】『―――昔むかし、江戸は赤坂の紀伊国坂にてしゃがみこみ泣いている若い女に、ある商人が声をかけると、なんと彼女の顔には目、鼻、口がひとつもついていない。驚いた商人は必死に逃げて蕎麦屋の屋台に駆け込む。蕎麦屋が『どうしましたか?』と聞くので先ほどの化け物の話をすると、蕎麦屋が商人の方を振り向きつつこう言った。―――『何か、用かい?』』」