保護者ではないけれど、
毎年保育園の卒園式に参加する。
 
短い挨拶をする。
よくきいてくれて、
途中で「はい」と答えてもくれる。
 
当り前だが、
小さい子も、大きな子もいる。
ほとんどの子が0歳児から
入園しているので、
ひとりひとりの成長の6年間を
   
映像で紹介している。
生まれたときから違う。顔も、環境も。
 
 
生まれてからたった6年。
まだまだ6歳。
   
東日本の震災の後に生まれた。
 
   
6歳の子どもたちが      
精一杯の声をだして
四季を振返って「思い出のアルバム」
 
 を歌う。
春のことです、思い出してごらんと。
長い歌をよく覚えたと感心する。
「友だちはいいもんだ」も歌う。

うまいとかという問題ではなく、
ただひたすら大きな口をあいて、
ありったけの声を出している。
 
涙するお母さんがいる。      
           
子どもたちから、
普段と違う緊張感が伝わってくる。
   
正装した姿が、
頼もしさ、かわいさを増す。
 
   
にこにこしているあの子の親は誰だろう。
でもなんとなくわかる。
互いに気を使い、
見つめ合っているからだ。
   
           
親子が向き合っている会場の真ん中に、
ほわ~っと幸せな空気と
時間がただよっている。      
安堵するような、
うらやましいような時間。

子どもからチューリップ1輪もらい
「ありがとう」と言われる時、
親の顔は、もうくしゃくしゃ。
 
       
           
なんにでも
「できる!」と
手をあげることができる保育園時代。
 
 
一生に一度の卒園の日。      
明日からまた、
一生に一度の日がやってくる。