トゥーロン | パティスリール・ポワソン通信

パティスリール・ポワソン通信

横浜市港北区新吉田 
閑静な街にある小さな洋菓子店

トゥーロン

スペインのお菓子ですが、ご存じでしょうか?


スペイン料理といえば最近スペインバルというのをやたら耳にします。

私はパエリアかスパニッシュオムレツしか思いつかないのですが、そのオムレツでさえ本当にスペイン料理なのかは定かではありません。

スパゲッティーナポリタンや天津飯のように実は本場にはなく、日本しか存在しないものかも知れません。

とはいえ一度だけ、赤坂にあるスペイン料理屋さんに食べに行った事があるのですが、お酒のおつまみに最適な料理という印象でした。

スペインはイスラムの影響か、なんとなく他のヨーロッパ諸国とはけいろの違うイメージが私にはあります。

恐ろしく芸術的で情熱の国といった感じがするので興味がある国でもあります。




さて・・・
トゥーロンというお菓子ですが、私にも本当はどんなお菓子なのかは解っていません。

アーモンドやヘーゼルナッツを使ったヌガーのようなお菓子だとずーっと思っていたのですが、ただのマジパンでは?というお菓子にもトゥーロンと呼んでましたし、サロンドショコラで購入したパリの若手のパティシエが作ったトゥーロンはほぼショコラのタブレットでした。

新進気鋭のパティシエが自分流に解釈してトゥーロンとして作ったのかな?と思っていたのですが、スペインのパティシエが日本で講習会を開くということで参加させてもらいトゥーロンを教えてもらったのですが、パリで食べたショコラのタブレット・バー状のものでした。

おまけにセンターはナッツベースではなくフルーツをベースにしたものだったので更なる驚きです。

伝統菓子というと製法や材料に定義のようなものがありそうですが、意外と自由なのかもしれません。



フランス南西部の町、ポー(Pau)に以前お世話になったことがあります。

いつも不機嫌なパリの街とは違い、ピレネー山脈が望める空気のいいご機嫌な町でした。

ピレネーの向こうはスペインです。

ちょいと足をのばせば本物のトゥーロンを食べれたのに、なぜスペインまで行かなかったのかを今頃後悔しています。




トゥーロン


アーモンドを蜂蜜でキャラメリゼしてチョコレートと合わせフードプロセッサー(ロボクープ)でペースト状にしローストした皮付きアーモンドを加えチョコレートで被膜したものです。

石のローラーで滑らかにしたいところですが、残念ながら当店にはローラーがありません。

完全に滑らかなペースト状にはならない為、多少のジャリジャリ感が残ります。それが食感としてまたおつなものです。

チョコレートはスペイン産を使っているのですが、アーモンドはアメリカ産です。

スペイン産のアーモンドは他に比べようもないほど美味しいのは解かっているのですが、あまりにも高価すぎて手が出ませんでした。

日本人にも食べやすいように一口タイプのバーに仕上げています。

本来、冬の食べ物なので、暑い夏場は敬遠されそうですが、ナッツやチョコが好きな方には、喜ばれると思います。