ルーアン | パティスリール・ポワソン通信

パティスリール・ポワソン通信

横浜市港北区新吉田 
閑静な街にある小さな洋菓子店

ルーアン

フランス・パリから西に国鉄で一時間ほどかかる古い街です。

とくに興味のあるお菓子屋があった訳ではないのですがルーアン大聖堂が見たくて二十年程まえに訪れました。

学生の頃、美術の授業でみた、印象派の画家クロード・モネが描いたルーアン大聖堂の連作が気になっていたからです。

大聖堂を同じ角度から同じ構図で何枚も描いているのですが、一枚一枚雰囲気がまったく違う絵になっています。まるで大聖堂がアイスクリームのように溶けていくような様子や炎に包まれているようなものなどさまざまです。
時間帯による光の加減なのでしょうが、実際そんなに違う物かと自分の眼で確かめたくて行った次第です。

ルーアンには夕方に着いたのですが、大聖堂には翌日の朝焼けから夕暮れまでじっくり一日かけて見てみたいと思い、その日はあえて行かず街中をぶらぶら散策しました。
石造りの教会や美術館などが多く、歴史を感じる美しい街並みです。

来たからにはと思い、一軒のパティスリーに入り、エクレール・キャフェを購入しました。
たまたま入ったパティスリーだったのですが、この店以上の美味しいエクレアをいまだに食べていません。クリームは濃厚でコーヒーの香りが強く、それ以上に皮の香ばしさとバターの香りがすばらしく、フォンダンもしっかり甘く、三拍子そろったエクレアでした。20年程前の日本で販売されていたエクレアの多くはシュークリームをただ長細くしたものが多かったので、これが本物か~と感動しました。もちろんパリのパティスリーではほとんどのお店にエクレールは置いていたのですが、その中でも一番でした。
不思議なことに、日本の洋菓子店にはだいたい置いてあるシュー・ア・ラ・クレームは、フランスではめったに見かけません。


ルーアン大聖堂・・・確かに幻想的です。お日様の当たり方によってかなり雰囲気が違います。
よくよく考えたらどこの場所でも光りによる景色の違いはあるのでしょうが、モネの絵を見てからなので、よけいに感動しました。

もしフランスに行って時間のある方がいたら、モネの画集を片手にルーアン大聖堂にも訪れてみて下さい。いまならクロード・モネが見れなかったであろうライトアップされた夜の大聖堂も見れます。お得ですよ・・・