狂言に続き能です。

犬HK能楽鑑賞


俊寛を演じているシテの野村四郎さん。地頭として以外あまり拝見したことがなかったけど、今回は良い俊寛を見せて頂きました。

先日、狂言に出演されていた、野村萬さん、万作さんと御兄弟ですね。また、ツレの野村昌司さんは四郎さんの御子息ということで、身内でたくさん。なかなかないですね。

ほか、囃子方も好きな方ばかりだし、ワキの宝生閑さん、アイの山本東次郎さんも、大好きだし。

テレビとなるとここまで揃っちゃうんですね。

今回もお能の紹介です。



出典
平家物語
*巻第二・康頼祝言
*巻第三・赦文、足摺


あらすじ

時は平家全盛の時代。所は九州薩摩がたの鬼界島。ここに平家党閥の計画を企てたとして、法勝寺の僧都俊寛、平半官入道康頼、丹羽少将成経の3人が流されています。
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ある日3人で谷の水を酒に見立てて飲み交わし、昔の栄化を忍び、現在の境遇を嘆くところへ、
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都から赦免使(罪を許すという清盛の使いの役人). の船が着きます。
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中宮(清盛の娘で高倉天皇の妃)が懐妊しその安産の祈りのため特別の恩赦が下ったのです。しかし、赦免状には康頼、成経の名はあっても俊寛の名が見えません。
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「俊寛一人は島に残せと言われてきた」と、赦免使は言います。俊寛は3人同じ罪で同じ島に流されたのに、なぜ自分だけが許されないのかと、悲しみに沈みます。
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せめて九州まででも乗せていってくれと頼みますが突き放され、
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船は康頼、成経を乗せて漕ぎ出して行きます。俊寛は力尽きて渚から船を見送るのです。


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みどころ
俊寛の赦免状に寄せる期待感から自分の名がないことを知っての落胆。そして、怒り、悲しみ、絶望に至るまでの心理の屈曲が鮮やかに描かれた、能としては極めて写実的な演目に属します。また船の作り物も大変効果的に使われています。そしてこの能には、この能だけに使われる専用面があります。先程申し上げた俊寛の屈曲した心情、いまおかれている境遇、こういったものを上手く表しえた個性的な能面といえます。
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今回で俊寛は4回目です。今までものと比べて、画面をアップすることも影響していると思いますが、激情型。
ぼくのような素人が申し上げるのは、憚りがありますが、お能らしからぬものにかんじます。幽玄とかじゃなく、現代の舞台演劇にも通用するような、ストレートな脚本です。つまり、わかりやすいお能ってことです。

一人取り残された俊寛の場面について解説がありました。このたびの俊寛は、絶望の淵に立たされ希望を失ったように感じるという。船を見送りながら、座りこんでしまうシーンがそれを表現していると。
また別に、違う演出方法があって、立ったまま見送るパターンもあります。
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シテ観世寿夫さん犬HK映像
こちらのパターンは、まだ再起を望む様を表していると。

こういった解釈も楽しめますね。


内面からくる絶望感を十分に堪能できますよ。




世の中は、シナの侵略の話題で騒然として…。



いやいや、阿呆マスコミの報道は甘い。くだらない話題ばかり垂れ流すな‼





心静かにお能に触れてみると、日本人で良かったと、感じることができると思いますよ。





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