読んだ本の総括に続き、2018年に観た映画で良かったものをまとめてみました。

 

今年は61本の映画を観ました。

その中で特に心に残ったのは以下の作品でした(鑑賞順、再見作品は除く)。

  1. 『若者のすべて』(1960年 イタリア/フランス ルキノ・ヴィスコンティ監督)・・・ヴィスコンティ初期の名作。次兄の人でなしぶりと対照的なアラン・ドロン演じる三男の健気さ。イタリア的家族観を垣間見る。
  2. 『スリー・ビルボード』(2017年 アメリカ/イギリス マーティン・マクドナー監督)・・・先の読めない緊張感あふれる展開と、最後の不思議な静寂感。フランシス・マクドーマンドが怒りに燃える母親を好演。
  3. 『gifted/ギフテッド』(2017年 アメリカ マーク・ウェブ監督)・・・天才も楽じゃない。少女を守る父親代わりの叔父さんがいい。子供にとっての幸せとは何かを考えさせられる。
  4. 『立ち去った女』(2016年 フィリピン ラヴ・ディアス監督)・・・4時間近い大作。モノクロ固定画面の圧倒的な美しさ。
  5. 『グレイテスト・ショーマン』(2017年 アメリカ マイケル・グレイシー監督)・・・素直にカッコイイ音楽と踊りが存分に楽しめる娯楽ミュージカルの新たな名作。
  6. 『デトロイト』(2017年 アメリカ キャスリン・ビグロー監督)・・・アメリカ社会に根深く残る黒人差別意識の恐ろしさに絶句。
  7. 『欲望の翼』(1990年 香港 ウォン・カーウァイ監督)・・・スタイリッシュな映像が素晴らしい。レスリー・チャンがカッコイイ。
  8. 『早春』(1970年 イギリス/西ドイツ/ドイツ イエジー・スコリモフスキ監督)・・・とにかくオシャレでカッコイイ印象的なシーンの連続。主人公の美少年の暴走ぶりが
  9. 『まなぶ 通信制中学 60年の空白を超えて』(2016年 日本 太田直子監督)・・・学ぶことの尊さ、楽しさを改めて教えてくれるドキュメンタリー映画の佳作。
  10. 『タクシー運転手 ~約束は海を超えて~』(2016年 韓国 チャン・フン監督)・・・光州事件の裏に隠された感動の実話。主演のソン・ガンホがいい。
  11. 『あの頃、君を追いかけた』(2011年 台湾 ギデンズ・コー監督)・・・青春のバカバカしさ、純粋さ、甘酸っぱさ満載。ヒロインのミシェル・チェンが可愛い。大好き!
  12. 『河』(1997年 台湾 ツァイ・ミンリャン監督)・・・ツァイ・ミンリャン作品は、観ているときは「何これ?」と嫌悪感さえ抱くのだが、観終わって妙に心に残るから不思議。
  13. 『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年 韓国 ヨン・サンホ監督)・・・ゾンビ映画の新たな傑作。ゾンビの身体能力の高さが半端ない。「もういい加減許してあげて!」と何度も心の中で叫んでしまった。
  14. 『アシク・ケリブ』(1988年 ソ連/ロシア セルゲイ・パラジャーノフ監督)・・・『ざくろの色』よりもストーリー性があって多少わかり易いが、それでも何とも不思議な映画。ジョージアという国の文化に触れられる。
  15. 『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(2017年 タイ ナタウット・プーンピリヤ監督)・・・手に汗握るクライム・サスペンス。主演の女優さんがカッコよくて好演!
  16. 『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年 アメリカ/イギリス ブライアン・シンガー監督)・・・長年のクイーン・ファンとしてはやっぱり外せない。ライブ・エイドの再現シーンのクオリティの高さは圧巻!

昨年に比べると『アンダーグラウンド』(エミール・クストリッツァ)や『クーリンチェ少年殺人事件』(エドワード・ヤン)のような圧倒的な体験はなかったように思いますが、それでもツァイ・ミンリャンやセルゲイ・パラジャーノフといった監督の諸作品や、『早春』『立ち去った女』といった作品に出会えたことは大きな収穫でした。あと、『欲望の翼』『あの頃、君を追いかけた』『タクシー運転手』『新感染』『バッド・ジーニアス』といったアジア映画に好きな作品が多かったように思います(アジア映画好きということもあるのですが)。

 

来年も古今東西の映画を興味の赴くまま幅広く観ていきたいと思います。

2018年も終わりを迎え、今年読んだ本で良かったものをまとめてみました。

 

今年は133冊読みました(雑誌を除く)。

その中で特に心に残ったもの、影響を受けたものは以下の作品でした(読了順)。

  1. 『無印良品は、「仕組み」が9割』(松井忠三)・・・マニュアルの徹底した活用法。
  2. 『14歳からの哲学』(池田晶子)・・・自分の頭で「考える」ことの大切さと難しさ。
  3. 『キヨミズ准教授の法学入門』(木村草太)・・・法学的な思考法がストーリー仕立てでわかる。
  4. 『14歳の君へ』(池田晶子)・・・『14歳からの哲学』よりも読みやすい。
  5. 『東大生となった君へ』(田坂広志)・・・「頭のいい人」の陥り易い罠。
  6. 『ヘンタイ美術館』(山田五郎、こやま淳子)・・・五郎さんの博学炸裂。西洋美術が身近に感じられる。
  7. 『飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ』(井村一清)・・・幼い子を残して逝った青年医師の珠玉の手記。生きていることの有り難さに気付かされる。
  8. 『ロシア語だけの青春』(黒田龍之助)・・・一つのことに熱中することの素晴らしさ。
  9. 『12週間の使い方』(ブライアン・P・モラン、マイケル・レニントン)・・・12週間を1サイクルとすることの効果。早速実践してみて効果を実感。
  10. 『塩狩峠』(三浦綾子)・・・「義人なし、一人だになし」
  11. 『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上・下)』(マイケル・サンデル)・・・「正しい」ことの多面性。
  12. 『氷点(上・下)』(三浦綾子)・・・圧倒的な面白さ。自分の深奥にある罪深さに向き合うことの厳しさ、難しさ。
  13. 『サピエンス全史(上)』(ユヴァル・ノア・ハラリ)・・・人類の全史を語ろうとする壮大な試み。次々に固定概念を覆される驚きに満ちた書。
  14. 『精神科医が教える良質読書』(名越康文)・・・読書は量よりも質。「頂きにある書」に挑戦することの大切さ。

今年は特に池田晶子さんの著作に出会えたことが大きな収穫でした。また、年の初めは量を追うことに必死になっていた感がありますが、振り返るとその時に読んだ本は量を追うことが可能な軽めの本ばかりで、心に残った本はあまりなかったことに気付きました。上記14にもあるように、読書はやはりそこから得られるものの質が重要だということを改めて感じました。

 

来年は、もっと読むべき本を厳選することに意識を向け、そして自分のレベルでは太刀打ちできないと思われるような「頂きの本」にも挑戦していきたいと思います。

NHKスペシャルで、平成を振り返る特集の第1回として元大リーガー野茂英雄さんの話をやっているのを見た。今でこそ日本人選手が大リーグに挑戦するのが珍しくない時代になったが、20年以上前の当時は大バッシングを浴びながらの挑戦だったらしい。当時を振り返る野茂さんは、顔つきこそ年を重ねてふっくらしたものの、当時と変わらぬ淡々とした調子でインタビューに答えられていた。昔から、この人は感情を表に出さない人だなあ、と思っていたが、「良いときも悪いときも、いかなるときも動じないのがエース」と教えられて育ってきた、という言葉に、単にそのような性格だということでなく、自分で自分にそのように振る舞うことを課してきた結果だったのかと思い、感心した。思想や信条が行動や態度に表れるということは、本当に知的な人にしかできないことだ。

 

 

大リーグへの移籍を全く想定していない当時の日本球界にあって、大リーグへの道は今とは比べものにならないくらい高く分厚い壁に阻まれていたことだろう。それを「大リーグに挑戦したい」という情熱だけでこじ開けた彼の功績は、今の日本人選手の活躍を見ると、計り知れないほど大きい。

 

自分が1996年から1998年にかけてイギリスに留学していたときは、今思うとまさに彼の活躍が絶頂だったとき。自分の境遇と重ね合わせるのはおこがましいことは百も承知で、異国の地で心細いときに彼の活躍に大きな勇気をもらったことを今でも覚えている。

 

当時を語る関係者、特に2度目のノーヒットノーランを達成したときの最後の打者だった選手(彼は1回目のノーヒットノーランのときはチームメイトだった)とそのとき野茂さんの球をキャッチャーとして受けていた選手の、当時を懐かしみつつ、野茂さんに対する尊敬の念に溢れた表情が清々しく、印象的だった。

 

現在は後進の育成に情熱を注ぎながら、大谷選手の活躍を見て、自分もまたマウンドに上がりたい、とはにかみながら語る野茂さんは、まさに「永遠の野球少年」という顔をしていた。