富山県森林研究所(立山町)は22日までに、森に自生するエノキタケを、市販の品種 より、かさの大きさで3倍、丈で1・5倍に成長させる栽培技術を確立した。今後は栽培 時の温度などを変えることで、現在は市販品種の1・1倍の収量をさらに増やす。キノコ は近年、バイオエタノールの原料としても注目されており、同研究所は食用、燃料用に使 える大型エノキタケの栽培を普及させたいとしている。
野生のエノキタケは品種名が「Fv-1」で、同研究所の高畠幸司副主幹研究員が19 90年、立山町吉峰の森に自生するものから胞子を採取し、栽培を始めた。研究所のキノ コ栽培棟で室温13度、湿度90%で育てたところ、約2カ月で、かさの直径が市販品種 の約3倍の30ミリ、丈が約1・5倍の15センチほどになることを確認した。
同研究所によると、味は市販のエノキタケとほぼ同じだが、肉厚で、歯ごたえと豊かな 風味、ナメコのようなぬめりが特徴。試食した柳原正紀所長は「鍋料理にしてもシャキシ ャキしており、天ぷらや酢の物でもおいしい」と話す。
同研究所では、従来のおがくずのほか、トウモロコシの芯の粉末や米ぬかを混ぜた菌床 での栽培に成功している。ナメコ栽培では粉末状にした竹を使った菌床でも栽培しており 、今後は荒廃した森林で木や竹を切り、粉末に加工してエノキタケを育てることを目指す 。
高畠副主幹研究員は、栽培環境を調整してさらに大型化させることを目標にしており、 「中山間地で食用とエタノール用の同時栽培に結び付けたい」と意欲を示した。
出典:富山新聞