ブリキの太鼓や、その他、いろいろ考察 -3ページ目

ブリキの太鼓や、その他、いろいろ考察

ブリキの太鼓や、その他、いろいろ考察

――併し明白なもの必ずしも事実ではなく、又事実必ずしも明白であるとは限らない。少なくともそれが意識の事実[#「意識の事実」に傍点]に限られないならば。
 存在を保証するものは、或いはより正確に云えば、存在に就いての意識を保証するものは、なる程明白性かも知れない。だが存在自身を保証するもの、或いはもっと正しく云えば存在それ自身の性格をなすものは、その事実性[#「事実性」に傍点]でなければならないだろう、そしてこの事実性とかの明白性とは少なくとも別であった。
 存在の性格をなすだろうこの事実性は、存在の質料性[#「質料性」に傍点]・物質性[#「物質性」に傍点]の内にあるだろう、そして之こそが存在の歴史性[#「歴史性」に傍点]なのである。吾々が住む世界の事実は、それが純粋に自然的な事実であるにしても、常に歴史的事実である。で、存在の性格は、その歴史的事実性[#「歴史的事実性」に傍点]の内に存する。