今回この研究会に参加し、私の勉強してきた分野ではない違った分野の話を聞くことができ、面白かった。貴重な機会を与えてくださり、五十嵐氏をはじめ、鈴木先生、ゼミの方々本当に感謝したい。

 今回の研究会で私が大変興味を持ったのは、サンタモニカの例である。五十嵐氏がしきりに話していた「なぜアメリカのいいところを日本は真似しないのか」という言葉の意味がよく理解できた。サンタモニカという街で、街のイメージカラーを決め、“この色をみんなで使いましょう“という文句で街の景観の統一化を図った。これはサンタモニカの街の習慣をうまく利用している。サンタモニカでは、壁をキレイに塗り直すという習慣があり、それを利用し、決まった年に壁をきれいにすると税金が免除されるという市民の心をつかめる政策を取っていて感心した。景観統一という面においては、成功を収めるだろう。日本も今景観についていろいろ議論されているが、サンタモニカのような例を参考にし、市民の心をつかめる政策をするべきだと考える。日本の景観はどこの都市へ行っても同じで、均一化されている。これは経済中心という考えに基づき、効率性を求めているからかもしれない。

 五十嵐氏の引越しの理念については、少し驚いた。それは今までそのようなことを話す人に出会ったことがないからだ。引越しという観点から都市の開発問題についての意見を述べたことに驚いた。正直否定的な気持ちが生まれなかったというのはうそになってしまうが、五十嵐氏の言いたいことは十分理解できた。

 やはり、動くもの、留まるもののバランスが大切であると考える。街づくりにはよそものという観点が必要だが、動くものがよそ者役になり、その土地に新たな風を吹き込んでくれるかもしれない。また、留まるものが伝統を守る。温故知新という言葉があるように地域が新しいものを受け入れ、また伝統を守っていくという形が理想ではないか。お互い外へ出ることにも内へ入れることにも柔軟になることが必要である。

 そのような考え方を見出すのに、五十嵐氏のような新しい切り口からのものの見方が必要になると考える。私もローカルデザインという分野においては素人同然だが、いろいろなことを考えさせられた。そして、自分の中で今回の感想のような考えにたどり着いた。

山梨大学工学部循環システム工学科 鈴木奈緒