今回は彫刻家・デザイナーの五十嵐威暢さんをゲストに迎え、「引越しは人をつくり、国を変える」というテーマでお話をしていただいた。
五十嵐さんは今までに50回以上の引越しを経験した。最近ではロスに20年間住み、その間に10回も引越したという。「かわいい子には旅をさせろ」とよく言うが、その通りだと五十嵐さんは言っていた。
小学校時代は療養のため一年間湘南に住み、三ヶ月しか通えなかったという。中学では一年のときに世田谷などに住み、三年までは兄弟と暮らしていた。
高校一年からは一人で下宿するようになった。アパート生活も経験して、何かが気に入らなくて三日で出てしまったこともあった。大学に入るまで多くの経験をした。
多摩美大を卒業してからロスに留学した。突然英語になったり、最初のルームメイトがインド人で不機嫌だったり、次の黒人もいろいろ気を使ったりで大変だった。様々な国の人たちと三ヶ月間「衣・食・住」を共にした。
ある日突然、日系の大学の先生から電話がかかってきて、食事に行った。車に乗ったら演歌を流されたりサンタモニカの日本食屋さんに連れて行かれたりでショックだった。日系人だから仕方が無いと思ったが、日本人のアメリカでの実力にガッカリしたという。
そのようなことで五十嵐さんの中でのハリウッド映画のイメージが崩れ、次はヨーロッパへ渡った。デンマークのデザインセミナーのために二週間滞在する予定だったが、気に入ったので一ヶ月間いた。セミナーの友達もいっぱい出来て、東洋から来ているということで大歓迎された。いきなり取材陣に囲まれることもあった。
デンマークで良い思いをしたのでロスに帰りたくなくなって就活をしたりパリの友達のところへ行ったりした。しかしロスへ戻らなくてはいけないと思い戻った。
それから大学に通ったり代理店の仕事を紹介してもらったりして、年間契約の仕事を受けられるようになった。仕事が押し寄せてきて断れないような仕事も頼まれるようになったという。
今回五十嵐さんの話を聞いて、こんなに行動派な人がいるのかと驚かされた。若いうちは海外に行ったほうがいいとか引越しは人をつくるとか言っていたので勉強になった。五十嵐さんのような生き方ができたら本当に楽しいだろうけど、実際はお金や時間の問題などもあり難しいと思った。「引越しに関して地方の人たちのフットワークは悪く、そのことが地方の改革の足を引っ張る結果になっている」という考え方について、もっと詳しく聞きたかった。
江戸川大学ライフデザイン学科2年 西川真世