杉本さんはパラグライダーをしているときに、急に「伊豆の観光とはなにか」と考え、展示物を利用し観光客からお金を吸い取るという事をやっていてはいけないと感じた。伊豆の温泉を利用し心や体の癒しが必要であると、自分が足を骨折した時のことを思い出しリハビリを温泉のなかで行うと不思議と全然痛くないことに気がついた。それをきっかけに、からだ全体の治し方をひらめき天城流湯治法がつくられた。
小さな健康セミナーから始まり評判が口コミで広がり半年くらいで参加者が四十人くらいになった。それから厚生省から補助金をもらい事業をやることになった。天城流湯治法とは自己流で考えたリハビリを温泉の中でやることでさらに効果が高まるため湯治法となり、シンプルで簡単なものである。
日本の人々の健康づくりを行うのは温泉地の義務であり、お年寄りなどの健康を守ることで医療費の削減にもなり日本全体のためにもなる。しかし、現在は信用や理解度などの問題でまだ多くの人には知られていない。温泉の成分は関係なく38度くらいのお湯の温度が大事で場所さえあれば日本全国の温泉地などで行うことができる。指導者の育成も行っており現在は九十名くらいの指導者がいる。今後はアスリートを利用し、湯治法を全国に広め地方の小さな村のお年寄りの健康づくりまで行いたいという。
LD研究会の質疑応答時に、早速、岩手県の温泉地の方が杉本さんを地元へ招待していた。
日本全国の温泉地で観光客集めが必要であり、何かしなければいけないという思いが強いのではないだろうか。人を集めるために何かをするのではなく、人の悩みを解消し、ためになることをすることで人は集まってくるのではないかと感じた。
杉本さんは最初から地域のために何かしたいという思いはなかったと思う。個人が自分を磨き特技を持つ事で偶然に地域が必要としていることと重なり、それがうまくフィットしたのだと思う。
江戸川大学社会学部経営社会学科3年 田原 幸訓