第26回 2005年5月20日(金) 小俣寛 CEER社顧問
フランスは人口6千万人で、食料自給率は約140%である。GDPに占める農業の割合は全体の約2.7%である。県が約100個もあり、5人の町もある。フランスが住民自治の国だから。
農業問題として、過剰生産、集約型農業の効率追求、離農、後継者問題、機械化による町の景観の崩れなどでできた。70年~80年頃まで、生産性の向上を目指し、大量に作るとき、土地の個性を考えていなかった。1990年に農業の3つの役割として「経済における農業」「社会における農業」「環境における農業」とした。目的として、農業の持続と雇用の発達、農業収入の向上と社会的地位の保証、生産者と流通における価格の公平な分配、自然資源の保全と景観の維持などが示された。
安全性として、有機農産物(AB)や高品質食品など、品質表示制度(クオリティサイン)に更なる価値付けを行う。ラベル・ルージュは品質の良いものでないと使わない。BSEなどによる食品の危険性があったため、消費者の安心感を取り戻すために必要である。
フランスは観光立国として有名だ。約7万の宿泊施設があり、いいホテルや農村民宿が沢山ある。
町の景観として、電線がない、あらゆる場所に花がある。道路を広くシンプルに作る。余計なものをつけない為、無駄な資金を使わない。高速道路のすぐ横に湖がある。パーキングにも緑があふれている。日本では見られない場所での景観もある。古いものと地域の伝統を備えた建物を合わせることでよりよいものとなる。各市町村が条例をもっている。特に観光を意識している地域は条例が詳しい。
第二の都市リオンでは各家の色を景観に合わせてよい色合いになるように決めている。伝統の鱗瓦や屋根の形が特徴的であるなど地域によって特徴がある。
景観保護法により、まち・道路わきの景観保護がなされていて、高速道路を町の景観から浮かないようにする、ガードレール、標識もない気持ちよく走れるような道路にするなど。日本にも景観概念があり、可能性はあるが、なぜフランスのようにならないのか。日本は観光地以外の場所はどこに行っても同じような景観である。日本では農業をやる上で景観などを意識していないように思う。フランスと日本のビニールハウスが目立っているか目立っていないかの違いでもわかる。日本も歴史や伝統は各地域にあるのでそれを生かすことで町の活性化にも繋がるだろう。(宇野 美香)