レザーベスト
LDFSでは看板付きのベストを作る事もよくあるのですが、
多くはレザーベスト本体をLDFSでオーダーメイドして、
お客様御持込みの刺繍マークや文字をステッチで取り付けるというのが
一般的なパターンです。
で、今回は少し違って、刺繍をそのままオールレザーで再現し、
取り付ける、というご注文でした。
流れとしては、ジージャンの背中に入っている刺繍の現物を
ファミリーマートで原寸大カラーコピー。
それを元にレザーで柄と文字を切り抜き。
ベストが出来上がってきたら途中でそれらを本体に縫いつけ。
それから裏地、付属を付けて完成。
という具合です。
どちらかというと図案がそんなに複雑ではなかったので
文字の細い所を2ミリ位太く修正して切り抜いておけば
ステッチワークも問題無いだろうと考えてました、
が、
％の丸とか文字バランスでそうしても太くできない箇所もあって
その両端にステッチたたくのが大変でした。
でもかっこよくできたので良かったです。
人間、やれば何でもできるんですね。
不可能ってほどでも無い事を可能にした、的に見せるのが
LDFSの良いところ。
ポジティブシンキング！
ステッチの向こうに神が見えた男、
ミシン骸骨平川でした！
呼び名
みなさん普通は僕を苗字の平川で呼ぶんですけど、
新人職人遠藤君だけは僕をこうじさんって呼ぶんです。
なんか、すごく歳は離れてるけど、
これ、ダチっぽくて好きなんですよ。
先輩みたいじゃないっすか。歳の近い。
で、その話をしててエロおやじ全開な乗りで
レディス職人なおみちゃんに”こうちゃんって呼んで”
って言ったら
今ではすっかりこうちゃんさんになりました。
なおみちゃんにはむしろ、さんもちゃんもいらないから
こうじって呼んでくれてもいいです。
で、思いだしたんですがその問題のこうじって名前ですけど、
うちの両親（かずと＆スミ子）は俺が生まれてしばらく
名前付けないでほっておいたらしいです。
それを区役所か何かに怒られて、
じゃあって、（じゃあじゃねーーだろ）
氷川神社に命名してもらいに行ったらしいです。（自分らで考えようよ。）
悲しい事にその時の紙が出てきたのでこれは本当の話です。
俺は生まれてきて良かったのか？とこいつらに問いたい！
その名前が無い間、こいつらが俺の事何て呼んでたかっていうと、、
”赤ちゃん”
おいおい、”平川赤ちゃん”になってたらどーしてくれんだよ？あんたら！
かわいすぎるだろ！
ってか相当恥ずかしいぞ！！
もうお前ら両親、戒名とかつけてやんねーぞ！
もう死体AとBな！
ちなみに意地悪な俺の姉貴はその間俺の事”ケンちゃん” （少しまともだけど誰だよそれ？）
もしくは
”コロちゃん”
（犬か！？俺は子犬か！！？）
って呼んでたらしいです。
ほんっっとに家族っていいですね！
氷川様ありがとうございます！
助かりました！
国家試験合格ペンケース
数年前にお客様からご注文、お買い上げ頂いたペンケース。
素材はクロコダイル(ナイルクロコ)とコードバンの黄金コンビネーション。
それらをすべて手縫いで仕上げたワンオフ品です。
ずっとご愛用頂いていたようで嬉しいかぎりです。
これを愛用しながら学校に通い、見事国家試験合格！
すごい！
凄いのはご本人ですけど、LDFSのペンケースもおともさせて頂きました！
背面のLDFSの焼き印もこころなしか誇らしげ。
国家試験の難関突破に際して
LDFSのペンケースは無関係とは言い切らないところが、
LDFSのいいところ！
ポジティブシンキング！
LDFSの人（準構成員）
LDFSのスタッフでは無いですが、時々出入りしてる人を紹介します。
タイコっ腹の白髪のじいさん。かずとクン。
前回”実母スミ子”について書きましたがその”もとカレ、”
と、いうか”元旦那、”おれの実父かずとクンもなかなかどうして、
イイ感じに味を出してるじいさんです。
俺が7歳ん時に二人は離婚。
かずとクン37歳は故郷の福岡へ。
それから紆余曲折、俺が大人になるまで３、４回しか会った事なかったけど、
2年位前からかずとクンは一人でまた東京に拠点を移しました。
俺にしてもたったひとりのおやじだから死んで墓参りする位なら
生きてるうちにちょっとでも一緒に居たいと思ったんで（←ここ泣くとこですよ）
で、このじじいの何がすごいって、ジゴロっぷりも堂に入ったもんで、
常に違う女の影をちらつかせながら奔放な人生送ってました。
ってまあまだ生きてるけど。
倅の俺には到底足元にも及ばないような男っぷりです。
このじいさん見てて思うんですけど、
なんか生きようとする気持ちが弱いっていうか
成り行きまかせでゆるーい感じで生きてるんですけど、
こういうのがモテるんですかね。
バイタリティとか無いです。
動物で言うと、パンダ。
丁度おととい、おやじがいきなり、
「こーじ、おんなっていうのは惚れるもんじゃなか、
惚れさせにゃあつまらんとばい」
ってありがたいお言葉を頂戴致しました（パパ、なんでいきなり？）
このおやじもうちの家系のしきたり通り柔道家で
柔道の特待生で大学行ってたくせにめんどくさくなって柔道辞めて
ふつーに学校もクビになってます。
とにかくゆるいです。
でも黒帯です。
今思うとわりと教育熱心だったみたいで
うちの姉貴に小学生の頃から家庭教師付けたり
ピアノにバレエに四谷大塚とか行かせて
中学も付属の私立に行かせてたのはこの男のしわざです。
俺とは子供の時は付き合いが短かったんで習い事とかは行かされなかったけど、
1年生の頃父親参観で運悪く教科書朗読を当てられてしまった時、
俺がつっかえつっかえ＆漢字飛ばし読みみたいな
できんボーイ丸出しな感じで満場の失笑を独り占めしてたら
父いたたまれずコソコソ教室退場、先に帰宅、待ち伏せ。
↓
授業終わって俺帰宅、にこにこで”ただいまー！”
↓
いきなり足首掴まれて二階から逆さ釣りで頭にグーパンチ連打、
↓
こうじ君ＫＯ負け
みたいな事がありましたね！
思い出したらムカついてきたぞ！
じじい！
あ、あと俺が6歳の頃おやじの自慢の愛車ワーゲンタイプ4の屋根の上で
ベコベコへこむのが面白くて無邪気な天使のごとく、
ガンガン飛び跳ねてたら、
「コージ！きさん、なんごとしよーとか！」
といきなり俺を引きずり下ろして
「屋根ばへこんでしまいよろーが！
このばかちんが！」
と、屋根を車内側から殴ってへこみを直しながら
コンビネーションで俺にまたグーパンチ連打。
（ゴムゴムのガトリング風）
↓
こうじ君ＫＯ（2連敗）
これは今考えると俺がいけなかったっす。
あの修理代いくらかかったかな。
でもおっさん、
何で５，６歳のおれにいつもグーパンチやねん。
いてーよ。
あとこの男、むかーし”車買ってきまーす！”
と言って今のLDFSの並びのヤナセに出かけて
カルマンギア買って来て仕事に使えるわけねーだろって事で
スミ子（激怒）に即日返品させられてたのを見た事あります。
もひとつ、やはりヤナセに”車買ってきまーす！”
と出かけて甥っ子の分と二台買って来てスミ子（怒髪天を衝く）に怒られた事もありましたね。
そりゃ怒られるさ。
凄く優しいけど男にはバイオレンシーな父なんだと思います。
そういえばスミ子と夫婦喧嘩ん時
超イケイケファイター系のスミ子にめっちゃ引っかかれて
防戦しながら廊下の突き当たりの部屋の隅まで追いつめられていく姿は
チャンピオンにタコ殴りされながらリングサイドに追いつめられ、
それでもなお倒れない挑戦者みたいだったぜ！
構えはデトロイトスタイルだったね。
ジャブすら打たせてもらってなかったけど。
全身”川”の字みたいな赤い線だらけになってたね。
ひっかかれまくりで。
おんなには手を上げないのがあんたの信念なんだね、
俺もその教えは守ってるさ
試合後勝利の気を全身にみなぎらせながら家ん中をねり歩く、
スミ子（現無敗チャンピオン）と
極力目を合わせないようにうつむき、
全身”川”の字だらけでぐったりタバコを吹かすその姿、
子供心にもいかしてたぜ、おやじ！
最近スミ子と一緒にいる機会が多いかずとクンがこの前
珍しく苦悩の表情で俺に言いました。
「あのおなご、いっちょも変わりよらん！なして離婚したか思い出した！」
うんうんわかってる、わかってるよおやじの気持ちは。
「お前のかあちゃんはやおいかんばい」って言われたので
「あれ、おやじの女だろ？結婚までしちゃったくせに。俺なら無理。」と言ったら
「東京に出たばかりでようわからんごつなってしまいよったったい」
と寂しげに語ってましたね。
まあ、あの女が居たから俺とおやじがこうして話せるって訳で、
諦めようよ、、、。
そんなかずとクンはＬＤＦＳの仕入れの時よく運転手を買って出てくれます。
LDFSで見かけたらお気軽に声をかけて下さいね！
今日のLDFS
初夏を思わせる陽気の今日でしたが、
LDFSはレザー一筋縫ってます。
今日もいつも通りの月曜でしたが、
ふたつばかりの出来事はどうしてもここに書きたくて。
その１
今日の午前中、ぼくの実母であるスミ子が店でうろうろしてたので
タオルとかをコインランドリーで洗ってきてもらおうと頼んだのですが、
しばらくして戻ってきたスミ子を見ると、
なんかへんなスパッツみたいなのを穿いているのが目に飛び込んできました。
”なんかおかしい、、ってか、コワイ”
もっかいよーく見ると、あのばばあ！
セーター穿いてる！穿いてるんだよ！
セーターをずぼんみたいに腕に脚通してすましてる！！！
これに脚を通してお尻のところにへんなたるみをぶら下げて！
”ついでだから私の穿いてたズボンも洗ったのよ～”
ばばぁおめぇ、元デザイナーだろ！！？
”大丈夫よ”という全然大丈夫じゃないばばあを説得し
その後スカートに履きかえさせましたが。
見た事無いもの見せられました。
その2
今日の夕方、レザーチョークバッグの仕上げをしていた
うちのレディス職人ちゃんがギボシを金づちでトントンしてました。
でもそこは非力なレディスの事、なかなかギボシが打ち込めません。
俺としても白い指に金づちを振り下ろしてしまうんじゃないか、、
と、気が気じゃありませんよ。
大師匠として黙って見てるわけにはいかず
男気を加齢臭に乗せて全身から発散させて言いました。
”よし！おれが抑えてるから思いっきり振り下ろしてごらん！”
勝手にエスカレートして盛り上がりまくり！
”俺の指なんか気にするな！思いっきり打っていいんだよ！”
”そんな～、私が抑えます、私の指なんかどうなっても。。”
これが恋愛だったら完全に俺のペースです！
VIVA!肉食系おやじ！
”いや、だめだよ！指は職人の命じゃないか！
叩くなら俺の指を！さああ！”
俺の気持ちが最高潮に達してしまった頃、
横で作業してたりゅうた君が、
”だめじゃないっすか。どっちも職人じゃないっすか。
っていうか平川さん、
どんだけ女の子に好かれようとしてるんですか？”
バーチャル恋の逃避行から現実に引き戻してもらいました。
今日もいちにち、みんなありがとうね！
明日もよろしくーー！