今秋も数多くのアメリカ研修が行われていますが、先日、日本の音楽学校の一団が到着しました。
ラスベガスやロサンゼルスで世界超一流のショーや施設見学、エンターテイメント業界で働く人材からのレクチャー等々、目が回る程の盛りだくさんで濃密な内容でしたが、研修のハイライトを飾るのは何と言っても現地学生との交流プログラム!!通常の研修や観光旅行では決して体験しえない『魂が震える瞬間』を提供するのが我々 LCE の使命なのです。
当日はアメリカでも最も注目を浴びる高校の音楽プログラムに参加し、言葉や文化は勿論、肌の色や表現方法など全てが違う同世代と交流すると言うもので、日本からの参加学生は音楽学校とは言え、音響や照明など技術職希望者がほとんどで全員シャイ。歌ったり人前でパフォームする事には一切慣れていません。
最初は緊張のあまり顔面蒼白!しり込みしていた日本の学生達も、伴奏のピアノ演奏が始まるにつれ隣りに座る黒人学生と瞳と瞳を交しあい、顔に赤みが差すようになり、絞り出していた歌声も徐々に大きく響くようになり、いつの間にか全員が笑顔になり、身体も心も温かくなって来ました。
そのうち一人、二人と椅子から立ち上がり歌い始め、やがて全員が立ち上がりその歌声が大きなうねりとなり教室を震わせます。
すると、ギターやベースを手に取る学生、ドラムセットに座る学生が出始め、ピアノだけだった伴奏に深みが加わり多大演奏会が始まります。ほんの数十分前までは聴いた事さえ無かった曲を、自分達の伴奏と合唱で作り上げていくのです。
こうなると止めようにも止まりません!
曲の最終部分に差し掛かると指揮者が自分の頭に手をかざします。これは『曲の頭に戻る』の意味、初めて教わった曲は何回も何回もループし、いよいよ歌声は張りのある声で大きくパワフルになって来ます!!バックに控える演奏者達もアドリブを加え、更に曲全体にメリハリが効き盛り上がって行きます!!
誰もが思いっきり歌い、誰もが思いっきり音楽に没頭する瞬間、歌い演奏する事で心も頭も解放する瞬間、そして誰もがその呼吸と一瞬一瞬を共有し身体の芯がズズ~ンと熱くなる瞬間!
普段は楽譜や決まりごと、発声や演奏の小さなミスに気を取られがちですが、そんな些細な事には脇目も振らず無我夢中で楽しんでしまえる瞬間!!自分がどこにいるのかさえ忘れてしまう瞬間!
見てください、学生達の自信に溢れたこの表情!いまにも泣き出しそうだったあの顔からは想像さえ着きません。
多分、音楽の喜びてこう言うものだと思います。
皆、この研修できっと何かを掴んでくれたと思います。
また来年も楽しみにしたいと思います。