船窪小屋を知らずして北アルプスの小屋を語るなかれ | 中村 顺のブログ

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船窪小屋を知らずして北アルプスの小屋を語るなかれ
日本国内有数の大きな山小屋で働き、現在も大きな山小屋だらけの山域でパトロールしている私にとって、小さい山小屋はオアシスです。中でも船窪小屋は、電気もない、ポンプアップによる揚水もしていない、ヘリの荷揚げも最小限という、北アルプスでは奇跡的な山小屋で、大好きです。

数年前、この近辺をパトロールしていた時に何度か泊まりましたが、とてもいい雰囲気でしたね。電気がないので照明は灯油ランプのみ、中には囲炉裏があって、お客さんはそのまわりで食事するという、すばらしいスタイルです。

船窪小屋はどこにあるの?って人が多いと思いますが、場所は針ノ木岳から南に縦走し、蓮華岳を越えた先にある七倉岳付近です。山小屋へは大町市から七倉ダムに入って七倉尾根を登るか、針ノ木から縦走するのが一般的です。また、ここから烏帽子岳までの縦走は、北アルプス随一の「ど根性コース」でしょうね。コースタイムは8~10時間となっていますが、アップダウンがきついのと鎖場やハシゴ場が多いので、けっこう時間がかかります。この部分を縦走するなら、船窪小屋から烏帽子へ行く方が逆コースよりやや楽かもしれません。水は多めに持参したほうがいいですね。

電気もなく、飲料水の背負い搬送をしているような山小屋ですから、北アルプスのほかの小屋のように便利とは言えません。が、山小屋らしさだけはたっぷり味わえます。食事も美味しいですよ。

まあ、そういう山小屋なので、下界感覚丸出しの、お行儀の悪い登山者にはオススメしません。


当時、オーナーの松澤さん夫妻は針ノ木谷の登山道が荒れ果てているのを見かねて、何とか復活させようと考えていました。この登山道は古い時代に富山と信州を結んでいた道で、佐々成政が冬に北アルプスを越えた時に使ったという伝承が残っています。我々も相談を受けたので、草刈り鎌とのこぎりを持って針ノ木谷へ降り、草刈りしたものです。

その後も古道復活の活動が山小屋の常連さんを中心に続けられ、廃道寸前だった登山道が通れるようになったようです。










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