
前回に続き、今回も軽い話題です。
無月経の話ではなく、月経の歴史の話です。
世界的に、古代から、月経には悪いイメージがつきまとってきました。
古代の医師は月経によって体内の毒素が排出されると考えていましたし、一般の人々も(特に西洋では)月経は悪い霊と関連するというイメージをもっていたようです。
ギリシャの有名な哲学者、アリストテレスがこう言っています。「月経中の女が一目みただけで鏡が曇り、その鏡をみた次の女は魔法にかけられる」
Plinyという古代の有名な医師(AD23年生まれ)の記述がもの凄いので、できるだけ正確に紹介します。
「それ(月経血)に触れると新しいワインは酸っぱくなり、作物は育たなくなり、接木は枯れ、庭の種は干からび、木になる果実は落ち、鋼の刃や象牙の輝きは鈍り、ミツバチの群れは死に、青銅や鉄さえも直ぐに錆び付き、おそろしい臭いが充満する。それを舐めた犬は発狂し、その犬に噛まれると不治の毒に感染する。もし月経中の女が裸になって麦畑を歩き回ると、毛虫、イモムシ、甲虫、その他もろもろの虫が麦の穂から落ちてくる。月経血を出している女が近づくと、すべての植物は黄色く変色する。その女が触れると蜂は巣を捨て去る。蜂は盗人と月経中の女が嫌いで、女の目をみただけで蜂の大群が殺されてしまうからである」
世界的にみて、歴史的に、血に対する恐怖、月経血を穢れたものとする態度は共通しています。
昔の日本はちょっと違った?
ネガティブな話が続いたので、わが国の古事記から明るい話題を。
「月経」という言葉は古事記の中に登場してくるそうです。
歴史エッセイスト堀江宏樹氏の文章をそのまま拝借してご紹介します。
「ヤマトタケルは、前々から「エッチしようね」と約束していた豪族の娘ミズヤヒメと再会するのですが、その日彼女は生理でした。経血のシミが彼女の衣の裾についており、ヤマトタケルはガッカリして「生理じゃーん」と歌を詠みます。ミズヒメは「あなたが長いこと来ないから生理になったんじゃーん」と返歌しました。ヤマトタケルは「そこまでいわれたら男がすたる」と感じたのでしょうか、生理中のミズヒメとエッチしてしまうのでした」
このシリーズは、今後「無月経」に関して詳しく説明していきます。古代のギリシャ人からすると無月経の女性は特別な存在だったのかなどと妄想しつつ、次回からは、あまり面白くないマジメな話に入ります。

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