シャオ「…トンちゃん、これはマズイ事になったね。」
通信越しのシャオの声は表情が見えていなくても深刻さが伝わる程重いものだった。
トンテキ『んー、でもこの事態があったから二人が見てきた未来があるって事もあるんじゃない?』
そんなシャオを励ますよう、他力本願寺住職トンテキは敢えて軽い口ぶりで返答した。
かぜやみとおじさんの未来渡航…
それは二人にとって予想外の出来事であった。
シャオ「それは僕も考えてはみたさ。
でも、二人が語った未来と未来から戻ってきたあとの態度…。
これはどうあっても繋がらないと思うんだ。」
トンテキ『…。』
シャオがトンテキのために用意した実験用の未来渡航。
しかしそれを誤ってかぜやみとおじさんが使ってしまった。
シャオ「これまで僕達は改変のために過去に遡ったことはあったけど、未来に行くことを試したことはなかった。
未来を知ることはとても危険だからね。」
トンテキ『…確かにね。
未来から連れ戻したあの二人の態度…とても気が抜けちゃってる感じだったしね。』
そう言うとトンテキは疲れて寝てしまっている二人のいる別室に目をやった。
トンテキ『あのおじさんがスカウトした子達がアイドルグループとなって活躍。
その中にかぜやみちゃんも含まれていた…か…。』
シャオ「うん。二人は成功している未来を見てしまったから完全に安心しきっちゃってるよね。
そんな状態で今後を過ごしても…厳しい世界での成功が待っているはずはないよ。」
トンテキ『…ふむ。』
シャオ「…そういえば、二人が未来に行く時、トンちゃんはどこにいたんだい!?」
トンテキ『え゛ それはちょっと…。(;・∀・)』
虚をつかれたのか、これまで冷静だったトンテキは急にワタワタしだした。
トンテキ『そっ!! そんなことよりこの事態をどうにかする事を考えようよ、シャオ君(;^_^A』
シャオ「ふぅ…。そうだね。
このままだとどれだけ未来に影響が出るのか解らないけど、二人にとっての未来は大きく変わってしまうかもしれない。
だから…元に戻さなきゃね。」
トンテキ『…そうだね。』
トンテキはシャオの意図を汲んだかのように返答し、シャオの返事を待った。
シャオ「さすがトンちゃん、解ってるみたいだね。」
トンテキ『あはは。 こうなったのもワイがシャオ君に未来渡航のお願いをしたせいってもあるからね。
だからワイが過去に戻って二人が未来に行かないよう改変してくるよ。』
シャオ「うん、頼むよ。
確か二人がここに来たのは18:00前後だったと思うから、転送後二人より先回りしてここに辿り着いて。
…それと、出来るだけ過去の人物とは接触を避けてね。」
トンテキ『分かってるって。
じゃあ、頼むよ。』
トンテキが静かに目を瞑ると、シャオは時間渡航のプログラムを起動する。
トンテキは目映い光に包まれた後、その場から姿を消した。
こうしてトンテキは過去へと旅立った。
二人の未来をあるべきほうへ正すために…。
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こんー(*´∀`)ノ☆
えと、久々の更新となってしまいましたが劇場の続きを書いてみました(;^_^A
ちょっとこれまでとは感じが違いますけど、また書いていこうと思います(^^)
次回、トンちゃんの活躍をご期待ください(・∀・)ニヤリ
それでは、この辺で。
またね~( ´∀`)∩