私が我慢してみんながうまくいくなら、喜んで我慢する。
いつのまにか染み付いた私にとっての良識。
夫の為に身を尽くし、子供の為に身を削る。
それが良妻賢母だと思っていた。
夫からは、あれでやってたつもりか、と言われるかもしれない。
それぐらいは専業主婦なら当たり前だろう、と言われていた。
子供の好物の唐揚げは、私の口には入らなかった。
美味しい、もっと食べたい、の言葉が嬉しくて。
いつの間にか一事が万事そうなっていた。
母親として頑張っていると思っていた。
今ならわかる。
私が唐揚げを食べないということは、
いつも私だけが食べさせてもらえていないということ。
もしこれが、私でなく別の人であったならば、虐待になる。
知らずのうちに自分自身を虐待していた。
家族の中でたった一人、大切にされずに虐げられていた。
結局家庭が崩壊してしまい、大切に守っていたはずの子供達まで、
辛い経験をさせてしまった。
私の経験であり、全ての人に当てはまるかどうかはわからない。
けれど、私は声を大にして言いたい。
「私が我慢さえすれば、と我慢し続けることは、結局大事な人達を不幸にする」
子供達が大切であるのと同じように、自分自身も大切にする。
私の生き方の基本となった。