ママ友がムッとした話しを聞いて私もムッとしたこと。

こんな田舎街だが、1人仲良くさせてもらっている日本人ママさんがいる。私の方が歳上にも関わらずしっかりとされているので、いろいろと相談に乗ってもらっている有難い存在である。

ブログ掲載の許可をもらったので少し書かせてもらう事にする。
彼女の出産は少々大変だったと聞いていた。陣痛が本格的になり病院に行ったが、当初から少し難しいお産になりそうだと言われた。そこから赤ちゃんの心音が分かるようにお腹にモニターを付けられ、望んでいた水中出産も叶わぬ状態だった。陣痛は24時間以上続いたが、その間助産師は片時も離れる事なく医者も時折様子を見に来る。しかしお産は中々最終段階に進まず、最終的には出血が酷くなり緊急帝王切開となった。

そんな彼女だが、出産後会社の人に出産はどうだったか聞かれたので経過を簡単に話したそうだ。そして、その後の会話…

同僚「セレブ出産だね!」

ママ友「???プライベート病院じゃなくて、NHS(国民医療サービス)だから全部無料だよ?」

同僚「そうじゃなくて、帝王切開だから。最近はセレブの人達は自ら帝王切開を選んでプライベート病院でやってもらうって。苦しまないから楽で済むからって。」

いやいやいやいやいやいや。
まずこのお方はママ友の話しを聞いていたのだろうか。いや、万が一聞いていなかったとしてもだ。何らかの事情があって計画帝王切開をする人も大勢いるだろうが、楽な出産など決してない。計画帝王切開だって、大きな手術を受けたことの無い私からしたらもの凄い恐怖だ。お腹を開くのだ。傷だって残るだろう。産後だって、きっと赤ちゃんを抱くのも大変だろう。何をするにもお腹に力が入るのだから。
ましてやママ友は長い長い陣痛の激痛と想定外の事態を耐え抜いての出産だ。誰にも楽だったなんて言われてはいけない。

私自身は比較的安産だったと言える。それでも、楽で良かったね、なんて言われた日にはムカっとするだろう。どんなに安産だった人でも、出産に至るまでの何ヶ月間は食べるものも制限され、悪阻で苦しむ人も居る、お腹が大きくなれば動くのも大変だし眠る時だって苦しい。常にお腹の赤ちゃんを気にかけながら無事を祈りながら過ごすのだ。

大変だったね、頑張ったね…なんて労いの言葉を掛けてくれとは思わないが、少なくとも「楽だった」なんて事はどんな方法で出産をした女性にも言ってはならないと強く抗議させて頂きたい。