投資の教科書の最初に出てくる言葉の一つに「効率的市場仮説」っていうのを皆さんも聞いたことがあると思います。

これによるとマーケットはあらゆる情報を織り込んで株価を形成するので、他人を出し抜くのは投資では不可能ということです。でもこれは理屈の上からも実際のマーケットを見ても正しくないです。

おそらく正解はマーケットはある程度効率的な部分はあるが非効率な部分もかなりあるではないでしょうか?

そもそもこの説の致命的な欠陥は、
①取引コスト、情報コストを考えていない②情報は全ての投資家にすぐに行き渡り合理的な値段になる③投資家は合理的で利益を最大化する行動を取る。
という点です。

反論すると①取引コストや情報のコストはタダではなく、非効率なマーケットほどコストは多くなる傾向がある。②情報はすべての投資家に行き渡るものではないし、ましてその解釈は千差万別である。③投資家は時には全く合理的でない行動を取る。

という感じでしょうか。行動ファイナンスにある小型株効果やネグレクトファームイフェクトなんかを見るとマーケットには如何に非効率的な部分が多くあるかを証明しています。
振り返ってみても、90年の日本のバブル、00年のITバブルなんかに象徴されますように投資家は時に異常な行動(それも偏った)をしますね。

結論としては「マーケットには非効率的な部分がまだある(効率的な部分ももちろんある)ので、それを投資の戦略に応用すれば市場平均を出し抜くことは不可能ではない」という感じです。