今日は簡単な買う目安を決めるポイントについてお話します。
ある株式の株価が安いか高いかの判断をつけるとき、投資を始めたばかりのときは何を目安にして良いのか分かりません。かと言って適当に買えば好いという訳でもないので、簡単な目安をおさらいしましょう。これは債券の投資や不動産の投資にもちょっとは役立つかも知れません。
ある会社の株価が一株利益の20倍くらいの価格で売買されているとしましょう。これを投資用語でPER20倍というような言い方をします。とりあえずその会社が一年に生み出す収益の20倍くらいの価値がその会社にはあるということです(今は思いっきり話を単純化してます)。言い換えればその会社に投資すれば一年間に5%くらいの収益を上げるんだな~という感じです。これはPERの逆数で益回りといいます。PER20ばいということは益回りは5%ですね。PERが25倍なら4%です。
5%くらいの益回りというのは今の低金利の時代としてはそんなに悪くないかもしれませんが、ここで少し考えなければならないのは、もし今ある資金を債券などのリスクフリーな資産に投資した場合と株式に投資した場合どちらが有利かを考えなければいけません。当然リスクを背負って投資をしているのですから、リスクフリーな資産より多くのリターンがなければ投資する価値はないでしょう。このリスクフリーのリターンと株式の益回りの差をリスクプレミアムといいます。このリスクプレミアムこそが株式の大きな魅力なのです。
たとえば今の日本の株式市場ですと、大体益回りは5%くらい、それに加えて今年の経済成長率が2%、長期債の利回りは2%として計算すると、
5%+2%-2%=5%これがリスクプレミアムつまり期待できるリターンです。
つまり簡単に言えば株価を決定する大きな柱の3つとして①益回り②その株の利益成長率(日本全体で言えばGDP成長率)③金利水準です。結構簡単でしょう。基本的にはこの3つを理解していれば大丈夫です。
金利が上がると株価にとってはマイナスです。なぜならリスクプレミアムが下がってしまいますので。よく新聞などで金利の上げ下げにマーケット関係者が敏感なのもこのためです。
それでは我々が投資するときはどのような状態がベストかというと、①益回りが高い=PERが低い②利益成長率が高い③金利が低い という時です。
リスクプレミアムは高いほうがもちろんいいのですが目安として日本株では5~7%位の範囲内で株価が動いてるようです。7%を超えるような状態は株価的にはかなり安いというような状況ですのでこういう時に買うべきです。
このリスクプレミアムは各国で結構違います。とりあえず今日は日本株について書きましたが時間があればご自分で研究してみると投資の幅が広がると思います。