便秘 | この『道』で生きる 

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便秘の概念

 便秘は排便が順調に行われない状態をいい、排便回数では4日以上便通がないもの、あるいは毎日排便があっても、排便量が少なかったり、硬くて排便に困難をきたす場合、一般に便秘とします。
便秘には器質的疾患に起因する器質的便秘と、器質原因のない機能的便秘がありますが、ここでは慢性化した機能的便秘を対象とします。
機能的便秘には、弛緩性便秘、けいれん性便秘、直腸性便秘があります。
弛緩性便秘は、大腸の蠕動運動低下により、腸内容の停留時間が長くなり、水分が過剰に吸収された結果便秘となります。
けいれん性便秘は、蠕動運動を促進させる副交感神経が過緊張状態になり、蠕動運動は常にけいれん性で、腸内容は規則的に肛門側に送られないために便秘となります、また排出される便は兎糞状であったり、蠕動が亢進しているため、しばしば便秘と下痢が交互にやってきたりします。
直腸性便秘は、排便反射が減弱しているため、直腸内に糞便が入っても排便が起こらない状態をいいます、したがって直腸容積は4~5倍となり、硬い便が分割されて排出されます。
機能性便秘の症状は排便困難のほかに、腹部膨満感、食欲不振、悪心、頭痛、めまい、倦怠感、などが挙げられています。



便秘の鍼灸治療

 便秘に対する鍼灸治療は、原因が蠕動運動と排便反射をつかさどる自律神経のアンバランスに起因する便秘ですので、鍼灸治療が非常によく効きます、治療は腰仙部自律神経への働きかけを中心に、背部兪穴と腹部募穴による兪募穴治療を行うと共に、胃経に対する経絡治療も行います。



便秘の対策

 便秘はもっともポピュラーな症状で、ほとんどの人が経験しているのではないでしょうか、また便秘を対象とした市販薬も数百種類にのぼり、その生産高も大幅に増加しているところを見ると、かなりの人が市販の便秘薬を常用しており、薬に頼った排便を続けているものと思われます。
排便は食物摂取に匹敵するほど重要な生理活動ですので、自力排便が基本です、それには規則正しい食習慣を身につけることが重要で、特に朝食は排便に関する限り、三食の中で最も重要です、これは胃に食物が入ると大腸が大蠕動を起こして、前の日に摂取した食物の残りを一気に直腸へ押し出すという、胃・大腸反射が起こるからです。
鍼灸治療は衰えかけた自律神経機能を強化することのできる最も有効な治療法ですので、薬剤なしでは排便できない方、薬剤の副作用を心配しながらも一生の間、飲み続けなければならないとあきらめている方は、是非、近所の鍼灸院に相談されてはいかがでしょうか。



便秘に対する鍼灸治療の効果

 便秘に対する鍼灸治療の効果は、一過性のものであればお腹の蠕動運動はすぐに鍼で改善しますが、慢性便秘の方は少し時間がかかります。このような患者さんは初めのうちは鍼灸治療に対して無反応です、しかし、治療を継続していくと大腸が動き出すようになります、つまり、鍼灸治療に大腸が反応するようになったからです。この段階になると自力排便が可能になります。



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