突然妄想  夜明け前の出来事 前編 | Side by Side -- Love Always

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ジェジュン溺愛+ユノ敬愛+チャンミン偏愛の管理人による、彼らを愛でるブログです。



この物語は完全なるフィクションです。
実在の人物をモチーフにしておりますが、実際の彼らの行動や志向には何ら関係ございません。




はじめに・・・

この話は、実在の人物の昨夜の行動と、過去のツイをモチーフにしておりますが、

作者は、当人の昨夜の行動を当然のことながら殆ど何も知らず、

ツイの真の意味や事情も全く知りません。


ここにあるのは全て、完全に、作者の勝手な妄想でございます。


どうぞ、その点を十分にご理解いただけますよう、

そして、御不快に感じられた場合は、即座に読むのを中止して

無視して頂けますよう(お怒りのコメントなどはご容赦下さい)


くれぐれも、お願い申し上げます。m(_ _)m







今更、すごくベタだけど、東京タワーに行った。


来年の522日にはスカイツリーがオープンして、ここは一番の観光名所ではなくなるらしい。


案内役の友人が、そんな説明をしてくれた。


予め少し調べて来てくれていたのか、彼はそのままスカイツリーについて話し続けている。


笑顔で相槌を打ちつつ、申し訳ないけど、スカイツリーには、あまり興味ない。


自分が日本にいた間、御馴染だったのは東京タワーで、スカイツリーじゃないから。


高い所からの景色なんて、別に珍しくもないけど、タワーの足元が透明なところは、やっぱり少し興奮した。


落ちたら、死ぬな~って。


そりゃ、もちろん、当然なんだけど。


タワーの中を普通に観光して、ついでに4階のゲームセンターでゲームをしたりして、それを写真に撮ってもらって、ツイにアップしたりした。


このツイの目的は、実は、二つある。


一つは、昨日、あんまりにも率直に自分の気持ちを話してしまって、心配をかけてしまったかも知れない皆のため。


こっちは凄く純粋に、皆に元気なところを見せて安心してもらいたいって思って。


そして、もう一つは、少し不純な動機。


公にはずっと会ってないことになっている人への、小さなメッセージ。


その人がいつもオレを気にかけて、五十万人以上いるフォロワーの一人として、匿名でツイを見てくれてるのは知ってるけど、その人は、あまり小さな事に気が付くタイプじゃないから、きっと、このメッセージには気付かない。


多分、次に会った時にこっちから意味を説明して、気付いてくれなかったことをちょっと責めて膨れてみせて、そしたらきっと、その人は困った顔で笑う。


そういう顔を想像するのも、ちょっと楽しい。


もちろん、もし気が付いてくれたら、もっと楽しいけど。






タワーの後、西麻布で食事をして、六本木に移動。


楽しく食べて、飲んで、少し騒いで、ホテルの部屋に帰り着いたのが午前2時。


シャワーを浴びて、普通ならそのままベッドに入るのだけど、今夜は違う。


ここから、もう一度、支度をして、一人だけで出かける。


そのために、さっきまで着ていたのとは全く印象の違う服も用意してある。


カットソーの上に、少しふわっとしたセーター。


色は白。あの人の好きな色だから、白にした。


この時期の日本で、セーターはまだ早いけれど、この時間のあの場所は寒いから、これぐらいで丁度いいと思う。


顔を隠すために、同色のニットの帽子とストール、セルフレームの眼鏡も装備。


我ながら、この準備の良さに、自分でも笑える。


支度を終えて、一人でタクシーに乗って、海辺に向かう。


車中で、最近発売されたあの人のアルバムの曲が流れていて、思わず嬉しくなった。


「この曲、いいですね」と、運転手さんに声をかけたら、「それじゃあ大きくしましょう」と、ボリュームをあげてくれた。


心の中で、『これから、この曲を歌っている人との思い出の場所に行くんです』と、呟いてみたりする・・・バカじゃない、オレ?


全く、どこまで乙女なんだか・・・。




午前三時の、お台場は、案の定、寒かった。


吹きつける海風が冷たくて、あっという間に体温が奪われる。


季節外れのセーターとストールが、大活躍してくれている現状だ。


自由の女神前のスカイウォークは、昼夜を問わず人気のあるデートスポットとして有名だけれど、さすがに週末でもないこの時間は、全くひと気がない。


日本人は真面目だから、きっと皆、明日に備えて寝ているのかな。


以前、一緒に来た時も、今と同じ事を考えた。


あの日は、朝から喧嘩していて、ずっと機嫌が悪かった。


理由は、あの人が久し振りのオフに地元の友人との約束を優先したという、ほんのつまらない事。


毎日、仕事でも宿舎でもずっと一緒なのだから、半年ぶりの休みぐらい旧友と過ごしたいと言われて、腹が立った。


今にして思えば、そんな事ぐらいで、どうしてあんなに膨れていたのか、自分でもわからない。


若かったから、世間知らずで我儘だったから。


そして、あの人と自分はずっと一緒にいるのが当然だと、無邪気に信じていたから。


結局、そんな様子を見かねた仲間が上手く時間を取り計らってくれて、テレビの収録の合間に、機嫌直しに、二人で東京タワーに行った。


だけど、修学旅行の生徒達で一杯で、時間が無かったから、展望台は諦めて、4階でゲームをした。


偶然(?)、今日と同じゲーム。


その後、お台場にあるテレビ局での収録をこなして、全ての仕事が終わったのが午前二時半ごろ。


「この辺、少しぶらぶらして行く?」


当然真っ直ぐ宿舎に帰ると思っていたのに、誰より真面目なはずの相手が、突然そんな事を言ってきた。


「明日の仕事、早いけど?」


むっとした口調で答えたら、鼻で笑われた。


「本当に今日はずっと不機嫌だな。いつもは明日の仕事なんか全然気にしないくせに」


からかわれているみたいで腹が立って、思わず殴る振りをしたら、武道の心得のある相手に、あっさり避けられた。


「むかつく! 何だよ! 殴らせろよ!」


むきになって再度殴りかかると、手を掴まれて、引き寄せられた。


「デートしよう」


抱きすくめられた腕の中で囁かれて、思わず頷いていた。




後編に続く


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