Do As Infinity
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JUJU
父と母は私が小学生の頃離婚、高校生の頃に父は再婚した。
父と後妻との間には3人の子供が出来てその頃から父宅とは疎遠になった。
3人の子供、私にとっては妹二人と弟一人なのだが、
今ではもう二人の妹も家庭を持ち、弟も市役所へ就職したと聞いている。
今現在私は、数年前に再会した実母の近くで住んでいる。
父が肺癌である事を知ったのは、
1年程前2番目の妹が知らせてくれて、一度父宅へお見舞いへ行ったからである。
そして昨日、
2番目の妹から連絡が有り、
父が倒れて救急で熊本中央病院に運ばれたので見舞いに行って欲しいと言うものだった。
余命1ヶ月あるか分らないから顔を見せて喜ばせて欲しいと。
今日見舞いに行った。
痩せ細った父は集中治療室のベッドで苦し気にしていた。
私だと気づいたのは何度か呼んだ後だった。喋る事が困難な状態で声も殆ど出ない。
はっきりと分ったのは、
「俺はもう死ぬばい・・死にたく無か・・・」と、涙を流し私に言った言葉だった。
私も涙が込み上げてきたが、ぐっと堪え、
「親父はまだ死にはせん。早よ元気になって家に帰らな!」そう答え返した。
そして手を握ったらしっかりと握り返してきた。
「また来るけんね!」
「気をつけて・・帰れよ・・」そうかすかに、親父が言った。
親父は78歳、あともう少し生きてほしいと心から願うばかりである。
誰しも天命がある事も理解はしているつもりだが・・。
この胸のモヤモヤと言うか、不安感というか・・嫌である。
帰り路、礼服が無いと気づき、黒のスーツとワイシャツ、黒のネクタイを買った・・。
星たちのモーメント
上野 優華