母の話。
二年前乳がんの全摘出をした母の体調があまり良くない。
もう駄目かも。
気丈な人であまり弱音を吐かない母がぽつりと呟いた言葉に
心臓がぎゅうとなった。
女手一つで自分だけが頑張って子供を育てているようで実は母にかなり依存している。
感謝しているのに、母がいることが当たり前になりすぎていて。
私が中学の時、母は失明してしまい。
大人になった私の姿を母は知らない。
結婚はしなかったから花嫁衣装も見せてないし、
でも どのみち見えないし。
産まれた孫の顔も見えない。
そんな弱い母に あまりに頼って生きている今の自分がすごく厭。
少しずつ恩返しが出来たらいいのに
いざとなると何も出来ない。
私より
ずっと小さくなってしまった母を見る度
こぼれそうになる涙を堪える。