エッジに落胆 | 瑠花オフィシャルブログ「SECRET GARDEN」Powered by Ameba

エッジに落胆

雪に降り込められてた時に一気に読んだ「エッジ/鈴木光司」。
これホラーでもないし、どっちかと言うとトンデモ科学サスペンスじゃん…
リングシリーズが好きだっただけに、かなり期待したんだけど。
久々に鈴木光司氏がホラー書いたっていうので。

ネタバレなんで、これから読みたい人はスルーしてくださいね。
あと辛口です。

導入とか題材は面白いと思いました。
謎の行方不明が相次いで、その真相を探っていくってやつ。
ところが、どうにもまず主人公に感情移入できない。
バツイチの女性なんだけど、キャラとか話し方とか、男性から見て好ましい紋切り型の女性像っていうか。
それどころか、登場人物すべてがイメージしにくく、気持ちが入らない。

途中から、太陽の黒点活動とか活断層とか、ちょっとあれ?って思ってきた。
πの値が崩れたら、世界崩壊?
ものすごく大風呂敷広げてきてて、これどう収束すんだと思ったら、終盤でとんでもないことに。
リングシリーズの時も、最後の方は結構遺伝子とか大きな話になってたけど、最近は鈴木氏は物理学にハマってるのかなあ。
人間の消失が宇宙の消滅に関わってるって…これをしっかり結びつけられたらすごいけど。
主人公の失踪した父親が神か悪魔?みたいな存在で、なぜか対の存在がいて、娘を助けるために犠牲になってどうのこうのって。
途中から主人公が霊媒体質みたくなるし。
ほとんど最後はついていけず。
途中で出てくる物理学の講義や古代史の話なんかも、話からは乖離してるようにしか見えないし。
むしろこっちが本筋なのかな?
引用してるマリーセレスト号とかバミューダトライアングルって、小学生の時に読んだトンデモ都市伝説レベルや…
ムー思い出したわ。

失踪そのものは現実にも不思議なことたくさんあるんだから、もっと現実路線で少しSF風味かましたら、読者もついてきやすかったかもしれない。
エッジってタイトルそのものが、アメリカにできたカミソリみたいな地面消失事件を表してるわけだけど、つながり薄いような。
こういう消失状態って、いがらしみきおさんの「sink」にも出てきたな。
あれは民族的な?オチになってたけど。
21世紀の今になって、また終末思想が流行ってるのか?
パラレルワールドみたいな話は私も好きだけど、もう少し納得できる展開だったらなあ。

SF好きな人間からしたら、SFにもなり切っていないし、どうにもモヤモヤしましたわ。
なかなかこれだって本には出会えないもんなのはわかってるけど、大人になるほど、小説で心に残るものが少なくなってくる。
だから、ノンフィクションばかりに走ってしまい、たまに読むのもSFぐらいになっちゃうんだけど。
ご都合主義の話も萎えるし…
というわけで、これからまたドキュメンタリーものを読みますわ。
また小説から離れていきそうだ(u_u)あーあ
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