目次
器用度を上げるメリット
種族別ランキング
戦士系技能の適性
初期作成の考察
メイス・ワールド
器用度を上げるメリット
この記事では、ソード・ワールド2.5のルールブックに収録されている12種族の器用度能力値を比較します。
戦士系技能では「戦士系技能レベル+器用度ボーナス」が命中力となります。
※命中力は特技や装備で上昇させることもできます
器用度ボーナスが上昇すると、命中力が上昇します。
器用度は、戦士系技能の適性の指標の一つです。
また、器用度ボーナスはレンジャー技能を用いて行う薬草の回復量に乗ります。
その他、遺跡探索等でよく使われる解除判定は器用度ボーナスを参照します。
魔法使い系技能のPCを除けば、必ず必要となる能力値です。
種族別ランキング
ダイスの出目を期待値(1d=3.5、2d=7)と仮定して、各種族の初期作成における知力能力値を計算しました。
※ルールブックⅠ〜Ⅲ掲載の生まれ
22(=2d+15)
グラスランナー
※フェンサー&スカウト
21(=2d+14)
レプラカーン
※スカウト
※敏捷度17.5
20(=2d+13)
エルフ
※シューター
19(=2d+12)
ルーンフォーク
※マギテック、シューター、スカウト
※敏捷度15.5
19(=2d+12)
ドワーフ
※マギテック、シューター、レンジャー
※敏捷度9.5
18(=2d+11)
ナイトメア
※フェンサー&スカウト
18(=2d+11)
ティエンス
※シューター
17(=2d+10)
人間
※スカウト&フェンサー
16.5(=1d+13)
リカント
※スカウト
※敏捷度19.5
13.5(=1d+10)
メリア
※シューター、フェンサー
11.5(=1d+8)
タビット
※マギテック
10.5(=1d+7)
リルドラケン
※シューター
※敏捷度14
戦士系技能の適性
初期作成で戦士系技能を選ぶなら、器用度ボーナス2は欲しいです。
※リルドラケンは種族特性で命中力を上昇させることができるため1でも許容範囲です
期待値なら、グラスランナー、レプラカーン、エルフの順に高くなります。
器用度が高いPCは、スカウトやレンジャーを担当することが多くなります。
初期作成の考察
初期作成の場合、平均的な能力値なら
○器用度18以上
グラスランナー、レプラカーン、エルフ、ルーンフォーク、ドワーフ、ナイトメア、ティエンス
○器用度12以上
人間、リカント、メリア
◯器用度6以上
タビット、リルドラケン
となります。
平均的な能力値なら、初期作成で器用度24以上となる種族はありません。
器用度24以上となる2dの出目は
9以上:グラスランナー
10以上:レプラカーン
11以上:エルフ
12:ルーンフォーク、ドワーフ
です。
器用度ボーナス2なら、命中力修正がプラスのカテゴリ〈メイス〉や〈格闘〉の武器が望ましいです。
なお、命中力を上げる種族特性が設定されている種族も存在します。基本12種族なら、
○リルドラケン
飛行することで近接攻撃の命中力・回避力判定+1
※1日に合計6ラウンドまで
※レベル6以下の作成の場合
となります。
器用度ボーナスはあくまで戦士系技能の適性の指標の一つです。他の能力値については、
ファイター
→筋力、生命力
グラップラー、フェンサー
→敏捷度、生命力
シューター
→筋力
マギテックシューター
→精神力
が重要となるでしょう。
器用度が高い種族は「技」が高く設定されていることが多く、敏捷度も高くなる種族が多いです。
ただし、ドワーフ、ルーンフォーク、レプラカーンは器用度よりも敏捷度が低くなります。
一方、リカントやリルドラケンは、敏捷度の方が高くなります。
メイス・ワールド
筆者の参加する卓は、人間、リカント、リルドラケンの前衛が多い印象です。
※筆者はいつもゆるふわエルフでアルフレイム大陸を冒険しているのですが、なかなかエルフは見かけません!エルフは人口が少ないらしいのですが、ゆるふわエルフ、お勧めですよ?
これらの種族は共通点があります。初期作成で平均的な能力値なら、器用度ボーナスが3に届きません。
素直に作ると、命中難になる可能性があります。
具体例を考えてみましょう。
初期作成のファイターで、レベル3のボスと戦う状況を仮定します。
ファイター2
スカウト1
残り500点
※複数のシナリオにまたがって同じキャラクターを使うなら、A技能を2レベルから3レベルに上げるためには1500点必要であること、初期作成キャラクター向けシナリオで得られる経験点は1000点以上1500点未満であることを踏まえて、経験点を500点残して作成することも多いです。
命中力:2+2=4
ボルグ(ボスの例)
回避力:4(11)
命中力と回避力が同じです。固定値で処理するなら、命中するために必要な出目は8です。
この時、命中率は約41.7%となります。
味方の後衛が命中力を上げる魔法等を使用できるならともかく、2回に1回も当たらないと正直かなり厳しいです。
ここで、命中力がプラスの武器カテゴリ〈メイス〉の武器を採用すれば、命中力は5となります。
この時、出目7で命中するようになります。命中率は、約58.3%です。
余っている経験点でエンハンサー技能を習得し、器用度ボーナス3のキャラクターを作成したなら、出目5で命中します。
この時、命中率は約83.3%です。
味方にコンジャラーがいれば【ファナティシズム】を行使することで、回避力を-2する代わりに命中力を+2することができます。
防護点を上げやすいファイターにとって、強力なバフとなる可能性があります。また、火力が高く命中力が低いマギテック先行のマギテックシューターにとって有難い魔法です。
いずれにせよ、命中力が不十分な状況では、ダメージを上げるよりも命中力を上げた方が、確率を考慮したダメージ期待値は上昇することが多いです。
筆者はやや保守的なので、8割あれば十分という目安で考えています。
達成値の比べあいで、魔物側が回避力判定を固定値で処理するなら、出目5で命中するなら命中率は80%を超えます。
魔物側もダイスを振る場合は、魔物のダイスの出目が期待値と仮定して出目4で命中するなら命中率は80%を超えます。
通常、初期作成のキャラクターは命中力が不足しがちです。ソード・ワールドをメイス・ワールドと呼ぶ人がいるのは、そうした経験則に基づいています。
レベル帯が上がると、自力で命中力を確保する手段は増えるため、必ずしもメイス・ワールドではなくなるのですが、低レベル帯の戦士系技能が自力で命中力を確保する手段は限られています。
当たらなければダメージを与えることはできません。まずは、命中させましょう。